エンドロール後に出てくるラストカットに注目「お客さん自身に委ねる終わり方」
――表の顔と裏の顔というのが、今回映画のキーワードにもなってくると思うのですが、稲垣さんがお会いしてギャップがあったと感じるのはどなたですか?
佐野さんです。こんなにいじられるのかと(笑)。僕の中での佐野さんのイメージはクールだったので、誰よりもいじられていて本当に意外でした。
あとは浜辺さんが同世代の俳優さんたちと大勢で和気あいあいと仲良くしている姿を見るのも新鮮でした。先ほども言ったのですが、年上の方との共演が多いイメージなので。宣伝期間中も、浜辺さんを中心に6人がわちゃわちゃして盛り上がっている光景を度々目にしていて、新しい一面が見られました。
でも、これはギャップとはまた別になるのですが、6人がこんなにも仲良くなったのが一番びっくりしました。キャスティングをする側からしたら、こんなにうれしいことってないんです。今でも6人で時間が空いたらご飯に行こうと話しているみたいで。やはり、撮影中はコミュニケーションが多くても、撮影が終わると減ってしまうじゃないですか。でも、6人は毎日のように連絡取り合っているみたいなのですごくうれしいです。
――最後に映画の見どころをお願いいたします。
ハラハラするサスペンス要素もあるんですけど、最初はストーリーをやはりちゃんと追ってほしいなって思います。どんでん返しに続くどんでん返しで、「就活で嘘に殺される」ってどういうことなのか、という真相を、ぜひ劇場で確かめていただきたいです。
また、グループディスカッションのお芝居も今回大変だと感じたことの一つで、例えば剣や刀で戦ったり、ピストルで撃ち合ったりするわけではないなかで、それと同じような緊迫感を生み出さなきゃいけない。そんな中で6人がそれぞれ考えて、知恵を出し合って見事なお芝居を繰り広げているところも、言うなれば「会話の殺陣」のような形でとても見応えがあるかと思います。
あとはプロデューサーだから言えるというところでもあるのですが、 緑黄色社会さんに原作と映画を観て書き下ろしていただいた主題歌の「馬鹿の一つ覚え」という曲も、楽曲はもちろんですが、歌詞も映画に深く寄り添っていて、とても素晴らしかったです。この歌詞を注意して聞いてもらうと、エンドロール後に出てくるあるラストカットが「これってどう見ればいいんだろう」と、観る人によって意見が分かれる作りになっており、ある意味お客さん自身に委ねる終わり方になっているので、本編と主題歌の最高のコラボレーションになったと思います。ぜひ最後までワクワクしていただきたいです。