足立紳(原作・脚本・監督)のコメント
これは「妻としたい夫」と「夫としたくない妻」の話です。夫は仕事もうまくいかず発達障がいの息子ともうまく付き合えず、他人の成功には嫉妬し口を開けば言い訳と文句と愚痴ばかりです。つまり限りなく僕に近い人間です。そんな夫を演じてくださった風間俊介さんには感謝しかありません。ありがとうございました。
そして、そんな夫と結婚してしまい、別れる踏ん切りもつかず夫を口汚く罵倒する言葉ばかり研ぎ澄まされてしまった妻、限りなく僕の妻に近い妻を演じてくださったMEGUMIさんにも感謝しかありません。ありがとうございました。
撮影中はお二人の姿を見ながら、こんな夫婦を演じていただいていいのだろうか…?この夫婦はドラマにする価値があるのだろうか…?と背中に冷や汗をかき逃げ出したくなることもありましたが、お二人が必死にこの夫婦に愛らしさ、逞しさ、セコさ、見苦しさなどなど言い尽くせないほどの人間味を与えてくださり、僕はものすごく勇気づけられました。こんな夫婦でもしょうがねえなと許してもらえる世の中になればいいなと励まされました。
視聴者の皆さまがこのドラマをご覧になったとき、どうか不快にならず、僕同様に励まされ勇気づけられることを切に願っております。
真夜中ドラマ「それでも俺は、妻としたい」番組内容
柳田豪太、42歳。売れない脚本家で収入もなく、浮気するような勇気もなければ風俗に行くような金もない。性欲を処理するためには妻とするしかないのだが、妻のチカにお願いすることが空よりも高いハードルとなっている。
日中働いているチカの代わりに不登校気味の息子・太郎の面倒を見ているが、それもチカには「当たり前だろうが」と一蹴されてしまう。豪太はあの手この手を使ってセックスしようと奮闘するが、チカはそんな豪太をとことん罵倒する。「したい」夫と「したくない」妻、夜の営みをめぐる攻防戦の結末やいかに。