コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、月刊ミステリーボニータにて連載中の、洋々パニさんが描く『シオミくんの給湯室ごはん』をピックアップ。
洋々パニさんが2024年10月29日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、3,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、洋々パニさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
給湯室で料理をする新入社員
仕事ができると評判の高い佐東は、その日も仕事が午前で終わってしまい、他の社員を手伝えないかと考えていた。そんな時、同期の茶山が助けを求めにやってくる。デザイン部の新入社員・塩実が、今日締め切りの仕事をちっとも仕上げてこないためサポートしてほしいと頼まれるのだった。
快く引き受けた佐東は、昼食に誘おうと塩実のいるオフィスへ。しかし、デスクに彼の姿はなく、給湯室をのぞくとそこで料理をしている塩実を見つける。
給湯室で料理をする姿に驚きつつも優しく声をかける佐東。「体にいい物が食べたい」とはっきりと言う塩実と給湯室で昼食をとることに。塩実の仕事の進捗具合を聞くと、案はできていると言う。しかし、塩実のパソコンを見てみると、そこには真っ白な画面があるのみだった。その後、完成までのスケジュールを的確に伝えた佐東は、一旦自身の仕事に戻ることに。
15時になり、塩実の様子を見に行くもいまだに画面は真っ白のまま。さらに給湯室で再び料理をする塩実を見て、なぜ仕事ではなく料理をするのか、と聞く。すると、塩実は「料理しないとアイデア出ないからです!」と主張。仕事に戻らせようと説得する佐東だったが、なかなか引かない塩実。そこへ同期の茶山が戻り「もう塩実見捨ててイイから」と佐東に伝えるのだった…。
作品を読んだ読者からは、「すごく面白そうな新連載」「会社以外でも話が展開しそうで楽しみ」など、反響の声が多く寄せられている。
作者・洋々パニさん「食養を題材にしたマンガを…」
――『シオミくんの給湯室ごはん』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
当初8Pマンガを描くことになり、食養を題材にしたマンガを描きたいと思っていたのですが、キャンプ場で食養料理をするプロットを担当さんに提出したら「これ24pくらいの内容ですよ…」と言われた記憶があります(笑)。
意外な場所で料理させたくて、担当さんとアイデアを出すうちに、「会社の給湯室で料理したら面白いのでは?」と決まっていきました。また、最初は佐東を“妻に先立たれ食事バランスが崩れた5〜60代男性“にしようとも考えていたのですが、ステキおじが全然描けなくて、結果、佐東はどんどん若くなっていきました。
――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
食養を題材にしているのですが、食養漫画になりすぎてしまうと、それなら専門書をお読みいただいた方が良いのでは…と感じたので、佐東と塩実のやりとりなど漫画としての面白さを入れるよう心がけています。
また、良いものを作っておられる生産者さんを応援し、読者さんにもご紹介したいという思いがあるので、少しずつ漫画で描けたらと思っています。
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
塩実の「何十分もタバコ休憩する人いますよね。なら、料理休憩があってもよくないですか⁉」のセリフが気に入っています。私が以前勤めていた職場で毎日1時間以上タバコ休憩に行く方がいて、「非喫煙者にも何らかの休憩があって然るべき!」とネチネチ考えていたのが反映されました。
――塩実が給湯室で料理をしている姿を目撃するシーンは、読者にとっても印象深いシーンだったかと思います。洋々パニさんは、漫画を描く際のキャラクター設定やストーリー設定はどのような所から着想を得ることが多いですか?
ストーリーは、友人の話や芸人さんのラジオ、好きな映画等、本当にいろんなものから着想を得ています。人と会話するうちにアレとコレを組み合わせたら面白そう!と思いつくことも多いです。こんなストーリーが描きたいな〜というイメージがぼんやり固まったら、どんなキャラがいれば、このストーリーが更に面白くなるか…と考えてキャラクターを作っています。
――洋々パニさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
目標と言いますか、夢なのですが、自分の描いた漫画がアニメ化したらめちゃくちゃ幸せだろうな!と思っているので、いつかアニメ化していただけるような作品を描きたいです(早口)。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
『シオミ君の給湯室ごはん』をお読みいただきありがとうございます!
疲れている時に読んでクスッと笑っていただけたり、健康について考えたり…。この物語が少しでも皆様のお役に立てたら嬉しいです。まだまだ拙い部分はたくさんありますが、日々精進していきますので、これからもよろしくお願いいたします!