目を覆いたくなる、でも直視しなければならない“不都合な真実”たち
「シスター 夏のわかれ道」「天安門、恋人たち」以外にも、厳しい社会風刺に及んだ名作映画は多い。CS放送「衛星劇場」では、上記2作を含む「中国映画特集~今を生きる不都合な庶民のリアル~」を12月から放送。「シスター 夏のわかれ道」は12月4日(水)朝9:15~ほか、テレビ初放送となる「天安門、恋人たち」は12月6日(金)夜8:30~ほかより放送。なお、「天安門、恋人たち」はR18作品となるため注意だ。
同特集ではほかにも、精神病患者が1億人を超えたと言われて久しい中国の精神病院で撮影された初めての国際的ドキュメンタリー「収容病棟」(テレビ初放送)、2014年に香港で起こった「雨傘運動」の一部始終を描いたドキュメンタリー作品「乱世備忘 僕らの雨傘運動」をオンエアする。
12月11日(水)朝8:30~にて放送される「収容病棟」は、“初めて見る中国の精神病院の内部”というリアルな衝撃を捉えた傑作。世界の経済大国・中国で「存在しない」ことになっている隔絶された場所で生きる人間たちの、誰も耳を傾けることのない愛を求める声をリアルに描いている。スクリーンとの境を消し、異常と正常の境を消す奇跡のドキュメンタリー作品だ。
さらに「乱世備忘 僕らの雨傘運動」は、当時27歳の若手映像作家だったチャン・ウージン監督が「雨傘運動」デモの前線でカメラを回して映し出したドキュメンタリー。監督自身が出会った学生らに焦点を当て、ごく普通の若者たちが「香港の未来」を探し求めた79日間を記録、映像化した。金馬奨ドキュメンタリー部門で最優秀作品にも選ばれた、社会派群像ドキュメンタリーだ。同作は12月18日(水)あさ8:30ほかにて放送となっている。
中国のリアルを描き、観る者に非常に強烈なインパクトを残す映画やドキュメンタリーたち。急拡大を続ける社会にあっては、必ず生じる歪みを引き受ける弱者が必ず存在するものだ。現代に生きる者として、“ないことにされてきた”者たちの姿を照らし出した不都合な真実を痛みとともに正面から見つめるべきだろう。
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