KinKi Kidsの堂本光一が11月29日、東京・帝国劇場で行われた舞台「Endless SHOCK」が大千穐楽を迎え、24年間、全2128回にわたる公演が終幕。大千穐楽後に囲み取材に応じた。
堂本光一「余計にもっと重たいものがのしかかった気がします」
2000年11月の初演「MILLENNIUM SHOCK」以来、堂本が国内ミュージカル単独主演記録を更新し続ける「SHOCK」。2024年の公演では、ついに2000回を達成し(4月22日昼の部にて)、5月9日夜の部にて国内演劇の単独主演記録2017回を超え2018回を達成して単独1位に。博多座では2100回を記録した。1月の製作会見で堂本が発言したように、本公演にて「SHOCK」シリーズの幕を下ろした。
終演後、一人で報道陣の前に登場した堂本は、背後で撤収作業が行われている状況についての胸の内を聞かれると「いま袖を通ってきたんですけど、かなり崩れています。撤収って早いんですよ。早く(次の公演の)レ・ミゼラブルにしたいんですよ」とコメントして笑わせ、「やり切ったのと、背負ったものを降ろせるのかなと思ったんですけど、余計にもっと重たいものがのしかかった気がします」と吐露。それは何かわからないそうだが「ありがたいことに、僕が作るエンターテインメントをみんな欲してくださっているような空気が、共演者のみんなもそんな感じになっていたので、荷を降ろそうかなと思ったんですけどのしかかりましたね」と語った。
また、カーテンコールで後継者の登場に期待を寄せていた堂本は「現れないですかね」といい、堂本自身も自身以外が主演する「SHOCK」を見たいそうで、「自分の夢ではありますね。自分が作ってきたものを表から見るというのは夢ですね。そうなればいいなと思いますけどね」とにっこり。
堂本以上のフライングができる人を見たことがないと声をかけられると「まあ、現れないでしょうね(笑)」と茶目っ気たっぷりに笑いつつ、「世の中にはすてきなエンターテインメントがたくさんあるので、『SHOCK』を見てミュージカルに興味を持ったという方もいらっしゃるでしょうし、そういう方々がいるのは自分もうれしいので、偉そうなことは言えないですけど、今後もいろんなことにチャレンジしていきたいですし、エンターテインメントを通じてお客様があれだけ幸せな顔をしてくれるのは、舞台以外にないのかなと思えるくらいすてきな空間なので、それを今後も作っていけたらなという思いがあります」と打ち明けた。
堂本光一「専用劇場だったら1日2回公演がなければ毎日できます」
さらに、SHOCK専用劇場を作りたいと発言したことについては「帝劇が改装に入らなかったら、来年もやらせていただきたいなと思っていたと思いますが、数年前に休館して工事に入っちゃうって聞いたときに、自分の中では2024年がラストになるなという思いに至っていたので、いろんな思いを積み上げた中での今があって、やり遂げたという気持ちが大きいです」としみじみと語りつつ、「専用劇場だったら1日2回公演がなければ毎日できます。2回公演はきついです…」とぶっちゃけた。
改めて、この24年について聞かれた堂本は「(SHOCKから)すべてを経験させていただいたと思います。あってはならない事故もありました。天災もありました。いろんなことが起きて、その都度エンターテインメントを届けるためにはどうしたらいいんだろうと、都度やってきたんですよね。これ以上のことはもう起こってくれるなって思いますが、それで学んだことは絶対的に生きてくるものだと思います」と振り返り、「そんな中、自分の体調とかで1度もストップさせなかった。いろんな想いがあるのに、自分のことで幕を開けられないというのは自分の中ではあり得ないことで、今だったら幕が開けられないことがあったんですけど、それができた時代でもあった。それを強行突破だったけど、やれたことが自分は幸せでした」と目を輝かせた。
最後に、「堂本にとって『SHOCK』とは?」と質問されると「難しいなあ…。今後にも期待を込めて、永遠であってほしいです。演出する自分も努力しないといけないと思うんですけど、これからも永遠にこの思いを持ちながら生き続けることになると思います」と感慨深げに語った。
◆取材・文=風間直人