豪華キャスト陣のケミに引き込まれる
まず、能力に目覚めてしまい戸惑う高校生ボンソク(ジョンハ)と、息子のためなら強くなれる母ミョンヒ(ヒョジュ)親子の絆に心打たれる。若かりし頃のミョンヒと夫・ドゥシク(インソン)の不器用なロマンスにときめき、2人と共に工作員として働いていたジュウォン(スンリョン)の男気あふれる闘いぶりに魅了される。1話から数話にわたって描かれるジュウォンの一人娘ヒス(ユンジョン)とボンソク、寡黙なガンフン(ドフン)の同級生3人の間に芽生えていく、友情と淡い恋心も爽やかだ。
超能力を持つ者たちを暗殺していく刺客フランク(スンボム)の壮絶な過去や、ボンソクたちを守ろうと命を懸けるバスの運転手ゲド(テヒョン)の切ないエピソードにも感情を揺さぶられる。
隅々までこれほどまでに豪華キャストをそろえたのはこのためだったのか、と納得せずにいられないほど、20話という長丁場でありながらすべてのエピソード、すべてのキャラクターを通して“人間”が味わい深く描かれている。
エピソードごとに変わる主人公と“愛のドラマ”
そんな彼らのストーリーが2~3話単位で繰り広げられ、エピソードの主人公が変わるたび、まるで別の作品を見ているような驚きと新鮮さを味わえる。劇中の人間関係ごとに、男女の恋愛や親子愛、友情などさまざまな形の“愛”とそのために命を懸けて戦う人々が描かれ、最終話に向かって一つになっていく。
例えば第7話、超能力者を1人1人抹殺して巡っているフランクが、ミヒョンの元にやってくるシーン。経営するとんかつ店に現れたフランクに異様な気配を感じたミヒョンは、帰ってきたボンソクが息子だと悟られないよう客のように案内する。ボンソクが超能力の血を引く者だとばれたら、フランクは一撃でボンソクを仕留めるだろう。ミヒョンはひそかに拳銃をとり、交戦を覚悟する。息ができないほどの緊張感の中、わが身を犠牲にしてでも息子を守ろうというミヒョンの決死の覚悟が痛いほど伝わってくる。
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