アナが絶望から立ち上がる姿に感動
そんなエルサと「いつも一緒」「助けたいの」と旅に付いてきたアナ。その思いと裏腹に離れてしまってから、悲劇に見舞われてしまう。そこで歌う「わたしにできること」は、打ちひしがれた状況から、今できる正しいことをしようという決意で立ち上がる様を表現。日本語吹き替えを担当した神田沙也加さんの絶望感漂う声から、やがて強さが増していく切々と歌い上げる声は心震えるばかりだ。
そこからのアナがすごい。見ているこちらは「頑張れ、頑張れ」と、自然に応援しているのだ。もともと行動力があったアナだが、姉妹の絆のさらなる深まりと成長にじ~んと感動する。
キュートさは変わらないけれど着実に成長もしているオラフ
劇場公開時、どちらかというと「アナ雪2」は大人向けではないか、という声もあった。魔法の力の他にいくつもの謎と秘密が明かされていく展開は、少し複雑でシリアスでもあり、一回り成長したエルサやアナがさらに大人になっていることもある。
その変化をオラフがすくいとっている。自分も読み書きを覚えるなどちょっぴり大人になったオラフは「変わらないものはない」という疑問をアナに投げ掛けるのだ。アナやエルサ、クリストフも参加する楽曲「ずっとかわらないもの」に乗せて、変わることの恐れ、でも変わらないことの楽しさや幸せを歌い上げる。この変わること、変わらないことは、物語の隠れた軸にもなっている。
“大人になった”オラフだが、子どもたちにはやっぱり人気だ。劇中で前作のあらすじを1人芝居のように紹介するシーンがあるのだが、変わらないキュートさとテンションの高さに、楽しみつつ笑ってしまう。オラフも旅の中で1つの感情が芽生え、また一歩成長していく。
クリストフのひそかな計画は実行できるのか?
最後にクリストフ。アナたちの困難の場面ではちょっと見どころが少ないかなと思いきや、いいところでさっそうと登場する。それとともに、ひそかにアナへのプロポーズ大作戦を計画していて、それが成功するのかどうかも大きな見どころだ。もちろん、スヴェンのかわいさも一緒に。
今回の続編で、エルサとアナの物語に奥深さが出た。魔法の森の精霊たちは自然の脅威の比喩にもなっているし、この旅でエルサとアナが見つけたこともさらなる感動を呼ぶ。内容の素晴らしさもあり、大ヒットだった1作目をも上回る全世界興収14億5400万ドルを記録し、当時のアニメ映画史上最高記録を更新する快挙を達成した。
既に「アナと雪の女王3」の2027年11月24日全米公開が決定しており、さらに「アナと雪の女王4」の製作も進行中だとか。なお、「アナと雪の女王2」はディズニープラスで配信中。
◆文=ザテレビジョンシネマ部
https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/frozen-2/
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