俳優のリリー・フランキー、斎藤工、伊藤沙莉が出演するFODオリジナルドラマ『ペンション・恋は桃色season3』が、2025年1月10日(金)から配信されることが決定した。
本作は、いつもテキトーな父シロウ(リリー)とその娘ハル(伊藤)、そしてバイトの青年ヨシオ(斎藤)が営むペンション「恋は桃色」が舞台。そこに訪れる珍客たちと、3人の騒動を描くハートフルコメディだ。ドラマの撮影が初のスタッフを中心に制作され、2020年1月の深夜に5週連続の特別ドラマとしてスタート。深夜25時台での放送ながら、超豪華キャストの出演や、伊藤がギャラクシー賞を受賞したことでも話題を呼び、4年後の2024年1月にseason2がFODで配信された。タイトルは細野晴臣が1973年にリリースした楽曲で、本作の主題歌となっている「恋は桃色」から。細野はseason1にシロウの父キヨシ役でも本編に出演した。
season3では、ペンションに訪れる宿泊ゲストに稲垣吾郎、MEGUMI、鈴木慶一、そして前作に引き続き山口智子も出演する。そんな豪華ゲストたちとの共演エピソードやseason3の見どころを、リリーと斎藤に語ってもらった。
ペンションという場所が近づけてくれる人と人の距離
――season3の配信が決まった時、どのようなお気持ちでしたか?
斎藤 ちなみに、このドラマ知ってました?
――すみません…実は最近このドラマを知って、season1からイッキ見しました。
斎藤 やっぱり(笑)。なぜか、あまり知られてないんですよね。
リリー 観ましたって人になかなか会わない(笑)。普通に観てほしいんですよ。この番組では結構はっちゃけてるのに、もしこれで僕が死んだりとかしたら、ちょっとブルーな気持ちで観なきゃいけなくなるので、ぜひ早めに観てほしいですね。暗い話だったらいいけど、追悼番組で流れても笑うに笑えないでしょ。
斎藤 たしかに、追悼映えはしないかもですね。もし僕に何かあった場合は、流すのは『昼顔』でお願いします(笑)。
――(笑)。でも、本当に今まで知らなかったことが悔しくなるくらい楽しく拝見しました。視聴者目線でも斬新だなと思う場面が多々ありますが、俳優のご経験が長いお二人もこういう現場は初めてでしたか?
リリー 斎藤さんとの共演は多いけど、この感じは初めてでしたね。というより、普通ないですよ。本作の舞台はペンションだけど、僕たちも撮影中はずっとペンションに泊まり込みですから。撮影が終わっても、話がまあ終わらない(笑)。
斎藤 カメラが回っていないだけで、共演者の方はもちろん、ペンションを経営されているご家族や、実際に泊まりにきたお客さんたちとも仲良くなって、みんなで夜中まで話してるんです。僕らが泊まってるペンションに4人兄弟の子供たちがいるんですけど、すっかり成長して受験や部活の話も出てきて面白かったですね。
リリー 子供たちも初日こそ珍しがってくれるけど、3日目とかになると僕らに飽きて全く相手にしてくれなくなるんだよね(笑)。
斎藤 そうなんですよ(笑)。でも、そうやって本当の家族ではないけど、距離が近づいていく感じもいいんですよね。ペンションという、ホテルとはまた違う場所がそうさせてるのかもしれないです。
リリー その雰囲気がまたドラマにも反映されているのかなと思います。
「監督とプロデューサーが暴走させるファンタジーを制御するのも僕らの役目(笑)」
――シーズン3の台本を一足早く読ませていただいたんですが、ほとんどアドリブかと思いきや、意外にしっかりと台詞になっているところが多くて驚きました。
リリー 一言一句、台本のままです。
――ただ視聴者側からだとみなさんの素と演技の境目がわからなくて、ドキュメンタリー観ているような気分になります。
リリー それは、それぞれが演じている中で咄嗟に出てきたものを台本に反映させているからだと思います。例えば、season3ではハルがカクレモモジリというキャラクターが好きという設定が出てくるんですが、それは前作で伊藤さんがとっさにカクレモモジリの真似をしたところから作ったものなんですよ。
斎藤 リリーさんは脚本作りにも携わってくださっていて、今回もかなりプロデューサーや監督と話し合われたんですよね?
リリー 夜中の3時くらいまで話し合いました(笑)。特に重点を置いて議論したのが、ヨシオとハルの関係をどこまで発展させるか。監督やプロデューサーはすぐに二人をくっつけたがるんですけど、僕はなんか嫌なんですよ。これは親心なのかな?
斎藤 監督とプロデューサーは僕と同い年なんですが、多分中年ならではの寂しさを感じているから、そこに希望を託しちゃってるところはあるかもしれないですね。
リリー でも、それって終わりの始まりでもあるでしょ? だって『男はつらいよ』で恋人がいる寅さんを、ずっと見ていたくはならないじゃないですか。
斎藤 確かにそうですね。だから、監督とプロデューサーが暴走させるファンタジーを制御するのも僕らの役目です(笑)。
リリー 現場で話し合って内容を変えることもありますし、瞬発力で物を作ってる感じが面白いですよ。出演者全員がペンションにグシャーって集まって、各々の芝居をしている時も舞台感があって僕は好きなんだよなあ。
斎藤 監督は基本的に1回しか撮らないスタンスで、台詞を噛んでもOK出しますからね。
――1回の集中力が試されて、そのぶん特別な瞬間が撮れそうですね。
斎藤 結果的に1回目が一番面白いんですよ。それを証明してるドラマでもあるかもしれないですね。
リリー まあ、ただ時間がないだけなんですけどね。予備日もないし、雪が降ろうが雨が降ろうが決行するしかありませんから。でも、それによってたまにミラクルが起きる。season1の雪が降り積もったテニスコートで主婦の皆さんが三角テニスをする場面は令和の名シーンだと思ってます(笑)。今回もまた天気のおかげで良いシーンが撮れてるので、注目してみてください。
「ペンション・恋は桃色season3」(全5話)
配信: 2025年1月10日(金)#1、#2/1月17日(金)#3、#4、#5
※配信日時は予告なく変更になる場合あり。
出演:リリー・フランキー/斎藤工/伊藤沙莉/山口智子
稲垣吾郎/MEGUMI/鈴木慶一
JOY/岩崎う大(かもめんたる)/眉村ちあき/大水洋介(ラバーガール)他
監督・脚本:清水康彦
主題歌:細野晴臣「恋は桃色(New ver.)」(ビクター/スピードスター)
音楽:細野晴臣/香田悠真
企画:橋爪駿輝
プロデューサー:鹿内植(フジテレビ)/小林有衣子(イースト・ファクトリー)
エグゼクティブプロデューサー:石井浩二(フジテレビ)/下川猛(フジテレビ)
制作著作:フジテレビ
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