子どもなおじさんが最強「エルフ〜サンタの国からやってきた〜」
おじさんがもたらす心温まる物語といえば、「エルフ〜サンタの国からやってきた〜」も語らずにはいられない。主人公のバディを演じるのはコメディアン出身の俳優ウィル・フェレルで、“妖精に育てられたおじさん”のおかしな行動をユーモアたっぷりに演じてくれる。
孤児院でプレゼントを渡し終えたサンタが北極の家に帰ってくると、サンタの袋に孤児院の赤ちゃんが紛れ込んでいた。同居する妖精であるエルフは彼をバディと名付けて育てるのだが、人間なので当然みるみるうちに大きく成長。30年もする頃には、普通のエルフの2倍以上のビッグサイズに。
エルフたちの仕事は靴屋が寝ている間に靴を作ったり、木のなかでお菓子を作ったり、サンタ工房でおもちゃを作るというもの。だが体が大きなバディはどれも上手くいかず、失敗ばかり…。そこで育ての親であるエルフがついにバディは人間であることを打ち明けたところ、バディは人間界で本当の父親を探すことを決意する。
ただ30年間エルフたちの国で過ごしてきたバディ。人間界のものがすべて珍しいというだけでなく、ピュアなエルフの精神性にすっかり染まってしまっていた。つまり人間たちから見れば、彼はエルフのコスプレをした子どもの心を持つおじさんなのだ。
回転扉を全力で回して大喜びし、クリスマスツリーに飛びつき、エレベーターのボタンは全部押す。迷惑極まりない行動ではあるものの、バディの無邪気な目を見るとどうにも憎めない。
また同作は愉快なおじさんが起こすトラブルを楽しむコメディ一辺倒ではなく、クリスマスに相応しい温かいテーマも備えている。すなわち、バディと父親の絆だ。
突然自分を訪ねてきたおかしな男が、自分を「パパ!」と呼ぶ。DNA鑑定を経てもにわかに信じられない気持ちは、100%共感できる。だが純粋すぎるバディとの交流を通して、父ウォルターもいままで仕事漬けで関わりを持てなかった妻子との関係を見直すことに。
ラストに訪れるクリスマスの奇跡も含め、とても温かい気持ちになれる同作。ちなみに同作の監督は「アイアンマン」の監督ジョン・ファブローで、サンタのソリに補助的につけられたエンジンが故障した…など、場面場面に散りばめられたファブローらしいちょっとしたユーモアも楽しめる。
なお映画専門チャンネル「ムービープラス」では「映画と過ごすクリスマス」と題して、上記の作品を12月に放送予定。「エルフ〜サンタの国からやってきた〜」は12月24日(火)朝9時30分から、「グレムリン」は同日昼11時30分から、「マイケル/ジョン・トラボルタ」は12月25日(水)朝9時30分から放送。ちなみに「グレムリン2 −新・種・誕・生−」も12月25日(水)昼11時30分から放送するなど、続編までばっちり取り込んだラインナップだ。
クリスマスといえばしっとり過ごすのが当たり前…かというと、そんなことはない。家族と、あるいは友人と、あるいはひとりで気兼ねなく、最高の映画を観て、最高にハッピーに過ごしたいものだ。
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