あまり知られていない神様「ヒルコ」
そして配信では、一連の異常事件の犯人「ヒルコ」の由来となった神様にも言及。ヒルコは【伊邪那岐神(いざなぎ)】と【伊邪那美神(いざなみ)】の間に最初に生まれた子【水蛭子(ひるこ)】からきているとされている。つまりは、かの有名な神様【天照大神(あまてらすおおみかみ)】、【月読神(つきよみのかみ)】、【建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)】と兄弟。ただ、水蛭子は葦の船に乗せられて海に流されてしまったという不遇な人生をたどっていて、日本書紀にはわずかしか登場しないという謎に包まれた神様の一柱だ。
ドラマでは、すでに【月読神(つきよみのかみ)】は登場済み。第9話予告では【建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)】の存在が少し明かされた。やはりドラマの肝となるのは、より一層、ヒルコの正体の謎が気になるところ。
「これまで謎だった『ヒルコ』は何なのか。人なのか。神様なのか。今まで謎だったことがどんどん解禁されますし、本当に目が離せない第9話と第10話になっています。ぜひ最後まで届けていただけるとうれしいです!」と福本が魅力を語り、配信イベントは終了した。
「全決」の撮影中に起きた“神”エピソード!
配信イベントの後は、福本への囲み取材が行われた。ドラマの撮影を振り返って福本は「あっという間の3カ月でした。最初の頃は、一人での撮影シーンが多かったのと、豊ちゃんはミステリアスな女の子ということで、あまり多く語れなかったんですけど、第5話、第6話あたりから、『全決』の味方として、仲間として、藤原さんたち皆さんと撮影ができて楽しくて。今までありそうでなかった日本神話をテーマにしたドラマは、やっていてもおもしろかったです」と充実した様子を見せた。
撮影中のエピソードについて聞くと、「外の撮影が多かったのですが、天候に恵まれていました。雨が降っていても、いざ撮影となると雨が止んだりすることもありました」と、撮影中に起きた奇跡的なエピソードも明かした。また、神社仏閣巡りが好きだという福本。撮影中には共演者たちとこんな交流も。「芹ちゃん役の迫田さんと神社の話をよくしていました。『この神社いいよ!』って教えてもらったりいろいろ情報交換をしたり。実際撮影中に、その神社へ足を運んだりもしました。【豊玉毘売命(とよたまびめのみこと)】の神社も、これを機に行ってみたいです」
神様を演じる共演者たちが集まる現場の様子については、「大先輩の方々もいらっしゃいましたが、そういうことを感じさせないくらい、フレンドリーにお話しさせていただきました。台本が上がると、もうそのことでみんなが盛り上がって、前室で皆さんと話すんです。みんなで作品を楽しみにしながら撮影していました」。また、「子どもの頃からずっとテレビで見ていた皆さんとお芝居ができてすごく勉強になりましたし、緊張もしました。本番になると皆さんスイッチが入って、本当にその神様に見える。間近でお芝居を見てすごく刺激になりました」と語った。
気になる物語の第9話、第10話についての見どころを聞くと、「全決VSヒルコということで、今まで謎だったことがどんどん明らかになる目が離せない9話、10話になっています。最後まで見届けていただけるとうれしいです」と福本。
そして最後に、劇中で身につけていたサメのぬいぐるみについても言及。このサメに名前がないことに気づいた福本が、この場で命名することに。平藤教授からのアドバイスで、【豊玉毘売命(とよたまびめのみこと)】の子どもの名前【鸕鷀草葺不合(うがやふきあえず)】からとって「ウガちゃん」に決定して福本もうれしそうな笑顔を浮かべていた。
■取材・文=高関聖子(アンチェイン)
TCエンタテインメント
発売日: 2024/02/07