親交20年で初共演! キム・ソナ&アン・ジェウクの絶妙ケミ
完璧なヒロイン・ヘリュルに最も強力なダメージを与えるのは、彼女に誰よりも近い人物、夫であるグヌ。世間から絶えず注目され、誰もが羨む暮らしを送っていたヘリュルの毎日は、夫の裏切りにより一変する。もとより一歩間違えば妬みの対象ともなる超セレブなヘリュルだけに、グヌの欲望に任せた愚行に足を引っ張られ、徐々にピンチに陥っていく。
好感度抜群の人気教授からクズ夫へと転落していくグヌを演じるのは、ベテラン俳優アン・ジェウク。イ・スンギ&イ・ヒジュン共演のクライム・サスペンス「マウス~ある殺人者の系譜~」(2021年)で狂気の連続殺人鬼を演じ、強烈な印象を残したジェウクが、品のあるルックスを最大限に活かしてセレブ夫を好演している。
ソナとは20年以上の親交がありながらも今回が初共演だというジェウク。会見ではソナについて「これまで感じたことがなかった彼女の新しい面を感じることができた」と語っていた。誰もが羨むセレブカップルから嘘とまやかしの仮面夫婦へ――実力派俳優2人が作り出す関係性のドラマチックな変化からも目が離せない。
脚本を書いたのは現役弁護士たち! 美術&小道具にも注目
韓国ドラマならではのドロドロ要素もたっぷり含んだ本作、脚本を担当したのは専業脚本家ではなく、現役の弁護士たちだ。脚本完成後に加わったというユ・ヒョンギ監督も、会見で「最初は『法曹界で働く人だけが知っているようなストーリーをどうやって書いたんだろう』と思ったが、弁護士の方々が数年間かけて努力した結果だと知った」と語っている。
その言葉通り、一つ一つの出来事のディテールが実にリアル。前述の“ぶら下がり取材”はもちろん、のちのちストーリーに深く食い込んでくる変死事件の遺体収容シーンで通行人たちがスマホを向ける場面など、ありそうでない“リアルな現場”の描写がストーリーに説得力を与えている。セレブ一族の物語だけに、劇中、邸宅のダイニングの壁にかかる絵画や食卓に並ぶメニューなど、小道具や美術にも工夫が凝らされ、没入感を高めている。
「私の名前はキム・サムスン」は放送から19年経った今も韓国で愛され、2024年9月に4K版の配信をスタートしたばかりでその魅力は新世代に引き継がれ、色あせることなく輝き続けている。「The Empire:法の帝国」は、そんな国民的ヒロイン“キム・サムスン”を作り上げたキム・ソナの強くしなやかなヒロイン力に引っ張られ、見始めたら止まらない没入感あふれるサスペンスだ。
◆文=酒寄美智子
韓国ドラマ「The Empire:法の帝国」
【放送日】12月27日(金)スタート 毎週(月)~(金) 夜10:00-11:30
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