コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ギャグ漫画家の野火けーたろさんが手がけた『親知らずを抜いたら美少女の形に腫れた話』をご紹介しよう。
同作は、親知らずを抜いた結果、腫れた頬が女性の姿のような形になってしまうという短編漫画だ。以前野火さんのX(旧Twitter)に投稿されると、好評を博して約3000件の「いいね」や、いくつもの反響が寄せられている。そこで作者である野火さんに、同作を手がけたきっかけやこだわった部分について話を伺った。
親知らずに恋をする?
ある日、「親知らず」を抜いた主人公の男性は、頬が腫れたために歯医者に出向いた。さらに、ひとつ大きな問題があった。その頬は膨れ上がるように腫れるのではなく“ひとりの成人女性”のような形になっていたのだ。
そういった状況を見た、20年ものキャリアがある歯医者の担当医は「こんなケースは見たことない」「中々不可解」と言いつつも、「腫れが治ったら 自然と全て元通りになるはず」と診断。さらに担当医が驚いたのは“腫れ”に自我が備わっていることだった。
病院を後にした男性はワケが分からないながらも、“腫れの女性”に「不便だと思いますが 頑張っていきましょう」と声をかけ、女性も紙に「迷惑かけてごめんね」と筆談。しかし、男性は鏡に映った“腫れの女性”を見るや否や、「美しい…」「好きだ…」と恋に落ちるのだった――。
奇想天外な展開や、まさかのラストに対し、読者からは「カオスすぎる(笑)」「良い意味で狂ってる」などの反響が相次いでいた。
方向性が決まったセリフは「この人かなり気持ち悪いぞ」
――『親知らずを抜いたら美少女の形に腫れた話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
数年前親知らずを抜いたのですが、すごく腫れてしまって。顔がこんなにも変形するならどんな形にでもなるだろうと思って構想しました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
各々が自分にとっての当たり前を選んで行動していくのにシチュエーションのせいでおかしく、大きくずれていくところに注目してほしいです。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
マイの「この人かなり気持ち悪いぞ」というセリフはお気に入りです。自分の中での気持ちや方向性が決まった感じがしました。
――ちなみに野火さんは「親知らず」に関して苦労したなどのエピソードはあるのでしょうか?
抜いた翌日に編集さんと打ち合わせで高めの喫茶店に連れて行ってもらって、「好きなの頼んでいいですよ」と言われましたが、何も食べられませんでした。
――今後の展望や目標をお教えください。
とにかく売れて売れて、お金の心配をしないようになりたいです。そうなればこういう変な作品も世に出し続けられる気がするので…。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
「ビームコミックス」より単行本『助けてヘルプミー』上下巻発売中です。こちらはオムニバス形式で漫画が載っているので、お気に召す話が絶対あるはずです。買っていただけるとすごく嬉しいです。
あとは今後も作品をバンバン発表していくので、野火けーたろという名前を覚えていただいて、あの時の作家かとチェックしてただけると作家冥利に尽きます。何卒よろしくおねがいします。
あわせて読みたい
- ひたすら嘘のマメ知識を伝えてくるお姉さん…絶妙に真実っぽい発言に「危うく騙されそうだった」と反響続出【作者インタビュー】
- 怪しい笑みを浮かべる理由とは…豪邸に住む坊ちゃまとメイドの微笑ましいやり取りに「一生見てられる」と好評の声【作者インタビュー】
- ドイツに住む女の子と日本人女性の不思議な出会い…2人が迎えたラストに「心が温まる」「リアルな人との出会いって感じ」の声【作者インタビュー】
- 吸うことで過去の記憶が蘇る怪しいタバコ…常連客の廃人化を食い止める“ワケアリな女店主”に「頼もしすぎる」の声【作者インタビュー】
- パートナーは大きな体をした獣人…見知らぬ“動物の毛”によって巻き起こるトラブルに「平和な世界」「癒される」の声【作者インタビュー】