お気に入りはきれいな“牛乳ピュー”のシーン
――今作はホラー映画ですが、どんな作品で、その中で村重さんは日名子としてどんな姿を見せてくれるのでしょうか?
まず日名子たち4人は動画配信者のグループで、都市伝説で知られる“ある村”に調査をしにいきます。若気の至りというか、まあ見ていて「バカだなぁ」といういきさつからで、しっかりトラブルに巻き込まれてしまいます。
4人の人間関係が意外とドロドロしていたり、恋愛があったりという若い男女たちの話なので、私たち世代にはかなり刺さるドラマです。一方で、大人の方が見ても「こういうときってあったな」と思えるようなドラマだと思います。若いときだからこその感情の絡み合いが面白くて、ホラーなんだけど、怖いだけの作品とはちょっと違いますね。
“ドキ!”もあるし、“ハラハラ”もあるし、怖さはしっかりあるけど人間模様も面白い。本当にいろいろなシーンがある中で、やっぱり私がいるからですかね。ほんのちょっとだけバラエティー色があって、クスッとするシーンも見られる映画です。
――主演発表時のコメントで、牛乳を吹き出すシーンがお気に入りと。
そうなんですよ(笑)。唯一、村重そのままというのがそのシーンで、マーライオンみたいにピューと吹き出しています(笑)。バラエティーでもやったことがなくて、一度やってみたかったんですよね。きれ~いに吹き出しているのでぜひ見てほしいです。
「できない」ではなくて「やらなきゃいけない」
――演じる日名子に対して、共感や自身が重なる瞬間というのはありましたか?
日名子って主役らしくない主役で、逃げ回ってばっかり、助けてもらってばっかりの子なんですよ。そのへっぽこ感が好きだし、たまに見せる女の子の裏側みたいな腹黒さもリアルで、現実にいる子だなって思います。
でも、共感とかは全くないですね。私自身は立ち向かっていくタイプだし、恋愛でも腹黒いことって考えたことがないんですよ。村重とは違う、本当に全く違う誰かを演じている気分でした。
――演じる上で入りやすいのは自分に似た役だと思います。先ほど「誰かになりきれるわけがない」ともおっしゃっていましたが、そうすると日名子を演じるのは大変でしたか?
そもそもこうした本格的な演技が初めてだったので、これが大変かどうかすらも正直分からないです。だから苦労したというか、考え込んだという点でいうなら、日名子をどう形作るか、でした。
日名子は割と育ちのいいお嬢様なんですけど、私はそういうタイプじゃないじゃないですか。育ちの良さってどう出すものなのかが全然分からないし、腹黒さはあるけど品もあるって、どういうこと?って。私に備わっていない人間性だし、人生でも出会ったことがない子だし、1人の人間を一から自分で作り上げないといけないのは大変でしたね。
――監督たちからも良い言葉を頂いたということですが、これを終えて次の役者仕事への気持ちも湧きましたか?
積極的に頑張りたいとは思いますけど、やっぱり難しいというイメージは拭えないですね。でも一つ自信になったのが、バラエティーと両立できるかもっていうことです。撮影期間中もバラエティーの仕事はあったので、村重と日名子を切り替えながらだったんですよね。それを監督から、結構珍しいタイプだよって。役者さんって撮影期間中は役の人物がずっと入っている人が多いけど、「村重さんは違うね」って。
そう言われて気付いたんですけど、私って割と淡々と切り替えることができて、意外と器用なのかもと思いました。案外バラエティーと並行して撮れるかもと思ったので、機会を頂けるのであれば、これからも頑張りたいです。やっぱりバラエティーに出て行ったときと同じで、“できない”ではなくて、“やらなきゃいけない”。初心に帰って、どんな役であれ挑戦することが大事だと今は思っています。