だが、その映像は死者が“見た”ものであるため、幻覚や妄想、先入観をも映し出してしまう。薪たちは、亡くなった人々の“秘密”をのぞき見ることへの葛藤と戦いながら、未解決事件に向き合っていく。さらに青木は、ある事件で亡くなった薪の親友で同僚・鈴木克洋にうり二つ。テクノロジーが実現させた“脳の中をのぞき見る”という行為への葛藤と、亡き親友への思いが絡み合う中で、薪は青木とかけがえのない絆を結んでいく。
“通訳”の力で外国人居住者を救う
NHK火曜夜10時の“ドラマ10”では、奈緒と松田龍平がW主演を務める「東京サラダボウル」(毎週火曜夜10:00、NHK総合ほか※NHK BSP4Kでは毎週火曜夜6:15)が放送中。同作で登場する特殊能力は“通訳”、それも自身の感情を一切排除して一語一句正確な逐語訳だ。
「クロサギ」の黒丸氏による新作漫画「東京サラダボウル―国際捜査事件簿―」を映像化した本作は、異文化が同居する“サラダボウル”東京を舞台に、レタスのような“ミドリ髪”の警察官・鴻田麻里(奈緒)とワケありの中国語通訳人・有木野了(松田)のコンビが外国人居住者の暮らしや人生に光を当てながら事件解決に挑んでいくストーリー。
有木野が容疑者や参考人の言葉の微妙なニュアンスまでも逐一訳し伝えることで浮かび上がる事件のカギを、鴻田がキャッチしていく。さらには有木野自身にも、推理やアクションの見せ場が用意されているという。
「中国語を話す役は初めて」という松田だが、ドラマの撮影期間前からマンツーマンで中国語の指導を受け、ネイティブ級に中国語を操る有木野をみごとに体現。対する鴻田も、「好きな食べ物は“知らない食べ物”」とカエルのから揚げや豚の脳みそ炒めをほおばる、かなりのクセ強キャラ。劇中に登場する料理も楽しみな作品だ。
特殊能力を駆使して事件に向かう、今クールの刑事とそのバディたち。ほかの作品では見られないユニークな活躍ぶりを見届けたい。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
火薬、OG-T、Young06、Haru、Born-D
ABEMAオリジナルドラマ「警視庁麻薬取締課 MOGURA」
2025年1月9日(木)より毎週木曜夜11:00~11:42 ABEMA SPECIALチャンネルにて放送