大富豪一族の裏の顔?ラストは衝撃展開
卓也の不正行為を突きつけながら、久美子の負債はチャラに。見事に丈洋の期待に応えた庵野は、次なる依頼を受ける。自分の命が長くないと悟っている丈洋は、じきに7000億を超える資産を巡って一族で争いが起きると確信し、資産を守ってほしいというのだ。
いまは高級老人ホームで暮らしている丈洋は庵野を伴って、妻である美琴の誕生日会が開かれている自宅へ。庵野に丈洋が「じきに戦争が起きる」と密かに告げたとき、美琴らが1人ずつカメラに映し出されると、誕生日会のイベントを見てほほ笑んでいるのに、裏に潜む恐ろしい表情が浮かび上がる演出がされた。
大富豪一族による骨肉の争いの本格化に引き付けられるが、視聴者を驚かせたのは沙織の息子・海斗(川原瑛都)も悪い表情を見せたことだ。絶対的権力者である美琴が溺愛する海斗は小学生だが、彼にも何か企みがあるのか。SNSで「子供まで裏の顔をもってるとは」「子供もなの!?」と驚きが広まっていたラストを、さらなる衝撃が襲った。誕生日会に遅刻している努が、街中で血まみれで倒れていたのだ。
顧客のために暗躍する庵野。グレーヘアに黒縁眼鏡というビジュアルに、黒い傘を愛用し、口ぶりは穏やかで振る舞いは紳士的というところが、いっそう怪しさを際立たせる。いい人も悪い人も、数々のキャラクターを演じてきた唐沢の表現力が存分に活きる。
「あなたのそばでお金のことを学ばせてください。なんでもしますから!」と頼み込んで庵野の助手になった久美子の目線を通して、今後は金融知識に触れることができるだろう。サスペンスとしての面白さもありながら、“悪魔的”な庵野の手腕が楽しみだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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