強烈パンチも!しずちゃんが熱演
しかし、庵野は英美子の本当の姿を暴いた。丈洋が沙織たちに財団法人を作ることに決めたと明かしたのだ。それは庵野の提案によるもので、何もせずに相続した場合は資産の半分を相続税として納めなければならないが、財団法人だと税制上の優遇措置があるからだ。
賛同すれば、ゆくゆくその財団を譲るという考えだったが、同席していた英美子は動揺。「お父さん、考え直してください」「財団じゃダメなんです!」と迫った。
そんな英美子に庵野は「落ち着いてください、お水でも飲まれますか?鈴木様」と声を掛けた。さらに「近藤様」とも。なんと、英美子は複数の家の養子になっていたのだ。民法上は許されることではあるが、丈洋と同じように介護を担当した人の養子になって遺産を受け取り、ブラックカードを持つほどにリッチになっていたのだ。
父が他界したときに看取れなかったことを後悔して介護士になったという英美子のことを、自身も父を施設で亡くした御子柴は信じていて、ショックのあまり詰め寄ると、英美子はお腹と頬に一発ずつ強烈なパンチを浴びせて倒した。
そして、沙織や努たちに「何も悪いことしたわけじゃないでしょう。今までのじいさんたち、みーんな私に感謝して死んでいきましたよ。じいさんの面倒見て報酬もらって何が悪い」と逆ギレ。美琴に「うるさい」とピシャリと言われ、ショックを受ける丈洋に「長生きしないとね」と声をかけて去っていった。
第1話から天使のような介護士として登場していた英美子の二面性を山崎静代が怪演した。山崎は、“しずちゃん”という愛称で芸人として活動する一方で、映画「フラガール」(2006年)で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど俳優としても活躍。今回は沙織たちを前に長ぜりふも見事にこなして存在感を放った。また、2008年のドラマ「乙女のパンチ」(NHK総合)ではプロボクサーになることを夢見る主人公を演じた山崎は、その後に女子ボクシング日本代表強化選手までになった過去がある。御子柴へのパンチはそれを思い出させた。
さて、財団法人に財産を入れれば、丈洋が亡くなっても誰の手にも渡ることはない。英美子はそれに気付いたから反対したのだが、沙織たちは気付いていない。後継者争いはどうなるのか、新たな展開が始まる。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

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