三浦春馬「プライドを捨てられる “オトナ”になりたい」 「オトナ高校」インタビュー
放送中のドラマ「オトナ高校」(テレビ朝日系)で30歳のエリートにして童貞という役に挑戦している三浦春馬。演じる上での思いを語ってもらった。
――荒川英人とはどんな役でしょうか?
「僕が演じている英人は、自分がエリート幹部候補生なんだという確固たる自信がある故に、上司や友人たちに対する目線や笑い方などに、無意識にさげすむ心が見え隠れするんです。こういう“上から目線”の役を演じたことはほとんどないので、演じていて面白いです。でも、本人に『嫌なヤツ』という自覚はないんですよね(笑)」
――昨年は舞台でドラァグクイーンを演じ、高く評価されました。挑戦的な役が続くことは嬉しいですか?
「振り幅が大きい役どころが続くのは光栄です。英人のような振り切った役は演じがいがあります」
――好青年役を多く演じてきた三浦さんにとっては、コメディーの現場も新鮮でしょうか?
「(50代の童貞上司役)高橋克実さんはコメディーのジャンルでも大先輩なので、僕には受け取れることがいっぱい。監督がテンポ感や展開の速さを大事にしているので、それを支えられるような演技を心掛けています。深夜にカラッと笑ってもらえるように、僕自身はもう、羞恥心を捨てて(笑)演じています」
――「オトナ高校」の設定上、性をオープンに語る場面もありますが、いかがですか?
「今のところ僕はそういう(性的な)ことを言う側ではなく、先生側から強いワードを浴びせられて苦しむ側で(笑)。ただ回を重ねるごとに言う側にもなりそうです。羞恥心はやっぱり捨てられないですよね(笑)。微妙に残ったその羞恥心を楽しみたいです」
――作中で英人は童貞を卒業(=オトナ高校卒業)することを目指しますが、“オトナとは”という深い問いも提示されています。
「オトナになるって定義は難しいですね。知らないことを『教えていただけますか?』と素直に言えない時期があったんですが、オトナとは、そういう壁を作らないことじゃないかと。若いときはプライドで虚勢を張って『ま、いっか』ということがあったのですが、そこは改めました。現場でも『この“恥ずかしい部分”ってどういうことですか?』とか(笑)、知っているふりをせずに聞いていこうと思います。専門分野じゃないことは、しっかり誰かに助けを求めることができる、そんなオトナでいたいな、と思いますね」
取材・文=mugbug