
松嶋菜々子主演の大ヒットドラマ「やまとなでしこ」(フジテレビ系、2000年10月放送)がFODで配信中だ。放送から25年が経っても相変わらず人気があり、配信復活の知らせには「大好きなドラマ!」「長い間、私の心のバイブルでしたね」「合コン大好き桜子、懐かしい」などSNSも盛り上がっている。今改めて観ると、25年前のドラマであるため、時代の変化を感じつつも、内容自体は色褪せずに面白い。客室乗務員の主人公が“素敵な王子様を見つけて、幸せをつかみたい”と奮闘する王道ラブコメ「やまとなでしこ」がどんな作品なのか、改めて紹介していこう。(以下、ネタバレが含まれます)
主人公・桜子のモットー「世の中で一番大切なものは…お金!」
1990年代のフジテレビ“月9”ドラマは、「東京ラブストーリー」(1991年)、「あすなろ白書」(1993年)、「ひとつ屋根の下」(1993年)などの群像劇や、「ロングバケーション」(1996年)、「ラブジェネレーション」(1997年)といった直球のラブストーリーがスマッシュヒットした。そこから2000年代に入って、最高視聴率34.2%を記録したのが中園ミホ脚本の「やまとなでしこ」。MISIAの歌う主題歌「Everything」もミリオンセラーの大ヒットとなった。そこから“月9”は「HERO」(2001年ほか)、「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-」(2008年ほか)などの“お仕事ドラマ”やラブストーリー以外の様々なジャンルが増えていく時代に入っていく。
「やまとなでしこ」は本当に大事なものは“何か”を教えてくれるロマンティック・ラブコメディ。主人公・神野桜子(松嶋)は、類い希なる美貌を持ち、教養もあり、客室乗務員の仕事もこなし、一見非の打ち所のない女性。しかし彼女には、ひとつだけ大きなトラウマがあった。幼い頃、極度の貧乏生活を経験し、貧困と闘ってきた彼女は「世の中で一番大切なもの…それは…お金である」「恋愛相手も結婚相手もお金持ちでなければならない」という哲学を身につけてしまった。機内での仕事中も、合コンの席上でも、口説いてくる男への興味は「お金や財産をどのくらい持っているか」のみ。その徹底した振り分けは合コン仲間の同僚たちも舌を巻くほどだ。
桜子のお相手となってくるのが、商店街で魚屋を営む35歳の独身男性・中原欧介(堤真一)。留学中の失恋で恋愛恐怖症に陥っていた欧介は、気乗りしない合コンに参加して、桜子と運命の出会いをする。欧介を大金持ちと勘違いした桜子は積極的にアピールをして2人は交際を始めるが、欧介の正体がばれてからは当然の如く相手にせず…。しかし、身分不相応と判りながらも桜子に強く惹かれた欧介が、心の赴くままに桜子を見守り、2人の同僚や仲間たちを巻き込んで、様々な事件が起きていく。



































