
ゆっくりペースの出演歴からも漂う“怪物”っぷり
次に出演した作品が、ドラマ「その年、私たちは」(2021-2022年)。ダミはチェ・ウシク演じるウンの恋人・ヨンスを演じた。同作は高校時代に付き合っていた2人が最悪の別れを経験後、10年たって不本意な形で再会を果たし、新たな関係を築いていく――というストーリー。
ダミはウシクと共に高校時代のピュアな恋から10年後、再会した後の大人な恋愛模様までをその年代にふさわしい演技で見せた。これまで狂気のキャラクターや常識外れなキャラクターを演じてきたダミが体現した“ごく普通の女の子の恋愛”は、視聴者に驚きと感動を持って受け止められ、「The Witch―」以来の共演となったウシクとのケミも話題を呼んだ。
幼少期から俳優への憧れはあったものの、「The Witch―」のころから度々、俳優という仕事は不確実なものだということも理解していて、もし俳優になれたならできるだけ長く、ゆっくり活動したいと“理想の俳優人生”についてインタビューなどで語っていることもあり、作品選びには慎重なタイプ。
実際、出演ペースはデビュー以来一貫して年1本前後だ。加えてデビュー後、早い時期に「The Wtich―」「梨泰院クラス」という代表作を2つも手にしているのだから、この若手俳優らしからぬゆっくりした出演ペースもうなずけるし、このペース自体が怪物級俳優であることの証明ともいえる。
そんな彼女が満を持して臨む最新作が「ナインパズル」だ。演じるのは、10年前の殺人事件の唯一の目撃者であり、当時は犯人では?と疑われたイナ。10年たって、彼女はプロファイラーとして警察で働く立場となり、10年前から彼女を疑い続ける当時の担当刑事キム・ハンセム(ソン・ソック)とタッグを組んで新たに起こる連続殺人の謎に挑んでいく。
最新作は「台本が面白くて、その場で一気読みしました」
制作発表会見で、出演の決め手について「台本が面白くて、その場で一気読みしました。誰が犯人なのか気になって。演じる役柄も、ユニークなプロファイラーという設定が俳優として新たなチャレンジになると思いました」と語ったダミ。実際、公開されている本予告では高校生のイナが呆然とした表情で殺人現場に立ちつくす姿や、「私がこの事件の犯人ですか?どうすれば捕まえられる?」と相手を煙に巻くような表情を見せ、一筋縄ではいかないキャラクターを想像させる。
20代前半で出演した「The Witch―」、20代半ばの「その年、私たちは」に続き、30歳に手が届く時期に撮影した今作でも、回想シーンで高校時代を自ら演じている。制服を着れば全く違和感なく高校生に見えるその表情も、童顔のせいだけではないだろう。
演技という技術で年齢さえも飛び越え、見る者に驚きを与える“怪物俳優”キム・ダミ。そんな彼女がまた新たな顔を見せてくれるに違いないオリジナル韓国ドラマシリーズ「ナインパズル」はディズニープラスのスターにて5月21日(水)より毎週水曜独占配信(全11話/初回6話一挙配信、2回目3話、3回目2話)。
◆文=ザテレビジョンドラマ部




























