【テレビの開拓者たち / 橋本裕志】「『オトナ高校』は男女の思惑がぶつかり合う“活劇”なんです」
人間のダメなところや弱いところをポジティブに描きたいんです
――キャストの皆さんからの反応はいかがですか?
「幸いにも、春馬くんがノリノリで演じてくれてますし、本気で役へ立ち向かう熱意は脱帽ものです。(高橋)克実さんも面白がってくれているみたいで。最初の本読みのときから、皆さん、いい感じのテンションで役と向き合っているようにお見受けしました」
――コメディーだと、俳優の方々のアドリブも多そうですね。
「基本的に、アドリブはあんまり歓迎はしないんですが(笑)、アドリブによって、ドラマの世界観がより広がることも往々にしてあるので、そういう期待も少なからずあるのかもしれません。『オトナ高校』では、春馬くんが想像していた以上のハジケっぷりで、脚本通りにしゃべっていても、それを越えた独自のオリジナリティーを創り出していて。アドリブ云々を越えた表現に挑んでいると思います」
――今回の「オトナ高校」のようなコメディーに限らず、橋本さんが、脚本を書く上で常に心掛けていることはありますか?
「僕の場合は、コメディーにしても、シリアス路線にしても、自分の作品の軸は“人間ドラマ”だと考えていて。人間のダメなところや弱いところをポジティブに描きたいんですよ。たとえ描かなかったとしても、どこかにそれが匂うような設定は作っておきたいなと。
それと、コメディーに限って言えば、『どうです、これって面白いでしょう?』という感じで描くと空振りすることが多いので(笑)、登場人物の真剣な姿から出てくる面白さを描く、ということを意識しています」
――橋本さんが今後、挑戦してみたいジャンルはありますか?
「人間の弱いところを描くという意味でも、いつかサバイバルものを書いてみたいんです。連続ドラマという形で、翌週の展開をドキドキワクワクしながら楽しみに待つような、一大活劇にしたいですね。もちろん『オトナ高校』も、毎週ドキドキしながら見ていただけると思いますよ。このドラマも、男女の思惑がぶつかり合う、立派な“活劇”だと思うので」