
蔦重の言葉に視聴者感動
「江戸一の利き者」である蔦重の商才を目の当たりにした、てい。世のために本を作り、すばらしい人脈も築き上げている。そして、そんな蔦重を、歌麿は絵の才能で支え、つよも髪結いと人たらしの才で商売を助けている。自分は何もできないという思いから、そっと家を出た。
蔦重は、ていが結婚前に出家を考えていると語っていたことから、寺へと駆け付けた。門をくぐる前に追いついた蔦重は、家出の理由が、部屋が一緒になったことが嫌だったと思っていたが、「江戸一の利き者の妻は、私では務まらぬと存じます。私は石頭のつまらぬ女です」というていの本心を知る。
すると「俺ゃ、おていさんのこと、つまんねえなんて思ったことねえですぜ。説教めいた話はおもしれえし、縁の下の力持ちみてえなとこも好きでさね」と蔦重。
実は、蔦重の仕事ぶりを見て、店で扱う本を作者や由来でつなげる「品の系図」を作ってはどうかと提案したてい。蔦重はその作成をていに任せたのだが、ていは家を出る前に置き土産のような形で、見事な系図を作り上げていた。それも才のひとつだ。
ただ、蔦重の言葉には続きがあった。「『出会っちまった』って思ったんでさ。俺と同じ考えで、同じつらさを味わってきた人がいたって。この人なら、この先、山があって谷があっても一緒に歩いてくれんじゃないかって。いや、一緒に歩きてえって。おていさんは、俺が、俺のためだけに目利きした、たった一人の俺の女房でさ」と。
蔦重が差し出した手に、自分の手を重ねたてい。その夜、2人は本当の夫婦になった。
蔦重の深い愛の告白。ここに至るまで間違った言葉をつむいだこともあったが、やはり最後には決め、またその言葉にはちゃんと自分の思いがこもっていて、温もりがあった。SNSには「グッときた」「唯一無二の素敵すぎるプロポーズ」「蔦重の言葉に感動して泣いた」「断れる女がどこにいるのか」など大きな反響が寄せられた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

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