【テレビの開拓者たち / 李 闘士男】ジャニーズWEST主演「炎の転校生REBORN」は“アホ”が詰まった学園ドラマ!?
「投稿!特ホウ王国」(1994~1996年日本テレビ系)、「タモリのジャポニカロゴス」(2005~2008年フジ系)といったバラエティーから、「ガンジス河でバタフライ」(2007年テレビ朝日系)などのドラマまで、さまざまなテレビ番組を手掛け、さらには「お父さんのバックドロップ」(2004年)で映画界にも進出、以降も「デトロイト・メタル・シティ」(2008年)、「幕末高校生」(2014年)といった映画作品の監督も務めている李闘士男氏。そんな彼のドラマ最新作「炎の転校生REBORN」が完成。現在Netflixで全世界190カ国に同時配信中だ。メディアやジャンルの垣根を越えて活躍する李氏が、この新作ドラマの話を中心に、自身のモノ作りのポリシーを明かしてくれた。
こんなムチャクチャな原作をよくぞ見つけてきましたねって(笑)
──李監督の最新作「炎の転校生REBORN」は、「アゲイン!!」(2014年TBS系)以来のジャニーズWEST主演の学園ドラマになりますね。
「そうですね。僕はあのときは藤井流星くんとしかやってないので、他のメンバーとは初めてになります」
──80年代のコミック「炎の転校生」を原作にしたドラマという企画は、プロデューサーからのご提案だったとか。
「島本和彦さんの作品ということで、世代的に僕も知ってるはずなんですけど、たまたま読んだことがなくて。お話を聞いてから読んだら、こんなムチャクチャな原作をよくぞ見つけてきましたねって思いました(笑)。最近は等身大というか、分かりやすい作品が多いじゃないですか。この原作は何が起きるか、物語がどうなっていくのか、全く分からない。こんなムチャクチャでアホらしい作品をドラマでやるなんて正気ですか?って。もちろんいい意味で、ですよ」
──(笑)。そんないい意味でのアホらしさが表現された、振り切ったドラマですね。
「最近のテレビ局の若いスタッフはあまり冒険をしなくなってきてますから、そんな中ではおっしゃる通り、久しぶりに『振っちゃいました!』って感じですね(笑)。ある意味、『デトロイト・メタル・シティ』のとき以上じゃないかと」
──1話20分強の中に込められた映像の情報量が濃密な作品ですね。ながら見するテレビではなく、集中して見るネット番組向きだなと思いました。
「映画やドラマでは普通、台本を映像化するのに、1ページあたり50~55秒って言われてるんですね。ところが僕の場合、46秒しかないらしくて。自分では決してテンポを速くしているつもりはないんですけど、そういう性格なんでしょうね。特に今回は主人公が7人いて、それぞれにいろんなことが起こる話なので。映像の情報量という意味ではCGもたくさん使ってるし、そう見えるんじゃないかなと思います」