
元恋人を衝動的に殺してしまった女性と、そんな彼女の前に現れる男たちが繰り広げる“恋愛ホラー”サスペンスを描いた「恋愛禁止」。主人公・瑞帆(伊原六花)にいびつな愛を向け、ストーカー行為に走る・郷田肇を演じた渡邊圭祐にインタビューを敢行。
郷田への思いや作品の見どころはもちろん、自身の恋愛観、結婚観についても語ってくれた。
郷田を演じる時は「ピュアでありたい」
――出演オファーを受けたときの感想を教えてください。
これまで漫画原作の作品に出演したことはありましたが、小説原作のものはあまりやったことがなかったので、ワクワクしました。さらに台本を読ませていただいて、先が読めない展開にも胸が高鳴りましたし、ストーカー役ということで「どうやろうかな」とイメージがどんどん膨らんでいき、演じるのが楽しみでした。
――渡邊さんが演じられた郷田は、主人公の瑞帆にしつこくつきまといます。しかし、回が進むにつれて郷田のキャラクターに変化が見られるように思いますが、演じるうえで意識していたことはありますか?
僕はわりと腹に一物がある人物を演じることが多いので、「この人は何かに関わっているに違いない」と思われることがよくあるんです(笑)。なので、第1話でマンション購入の顧客として瑞帆の前に現れたときは、とくに何かを意識することはなく、そのまま出ようと思っていました。
2話目以降はとにかく瑞帆を翻弄しまくるので、瑞帆をおちょくるように楽しむことをベースに考え、何かが起きたときに「郷田じゃない?」とリードできるようになっていればいいなと思いながら演じていました。
あと、僕の中では、動機はつねにピュアでありたいというのがキーワードとしてありました。郷田はただ愛で動いていて、ピュアな心がふくらんでいるだけ。そこを突きつめれば狂気的なものが出て来るかなと思ったので、そこは意識していました。
――第3話で瑞帆に3年前の事件を目撃していたことを告げ、「これは運命なんです」と不敵な笑みを浮かべる郷田は本当に怖かったです。あと、第5話と第6話で瑞帆と対峙するシーンのときに郷田が見せるまるで光のない目に深い闇を感じました。
たしかに、あそこは台本に「光がなくなった」と書かれていた気がします。でも、第5、6話のマンションでのシーンは、郷田のピュアさが一番出ていたと思います。
現場は和やかな雰囲気「伊原さんは朗らかな方」
――郷田のようなクセのある役は、俳優として演じがいがありますか?
どんな役でも演じがいはありますが、クセのある役のほうがどんなクセをつけていくのかを考える楽しさはありますね。プレーンな役であればあるほど引き算になっていくと思うので、郷田のような役にクセを肉づけしていく作業は楽しいです。
――劇中ではシリアスな展開が続いていますが、現場の雰囲気はいかがですか?
すごく和やかな現場でした。主演の伊原さんがとても朗らかな方なので、それに尽きるのかなと。何より伊原さんがすごいのは、スタッフを含め、その場にいる全員の名前を覚えているんです。クランクアップのときも全員に手紙を書いて渡しいて、すばらしい座長だと思いました。
――郷田の瑞帆に対する“愛”の形を率直にどう思いますか?
瑞帆を怯えさせるような伝え方はどうかと思いますし、生活を監視したり、家まで追いかけるのは、たとえ一途な愛だとしても、さすがにやりすぎだと思います。
でも、郷田は自分の行動が間違っているとは微塵も思っていないんですよね。あれほど自分の気持ちをストレートにぶつけるというのは、大人になるとなかなかできないことなので、ある意味、うらやましく感じるところもありました。































