高橋克実「三浦春馬くんはエネルギーの塊のような人」【オトナ高校連載】
テレビ朝日系で好評放送中の土曜ナイトドラマ「オトナ高校」(毎週土曜夜11:05-11:59)。本作は、深刻な少子化問題の打開策として政府が設立した公的機関「オトナ高校」を舞台に、異性との性経験がない30歳以上の男女だちが繰り広げる、不器用な大人たちによる学園ドラマ。高橋克実は、銀行勤めのエリートながら55歳のチェリーボーイ・権田を演じる。
実はEDの設定にビックリ!!
――4話で明かされた権田さんの“事情”に驚きました。
自分も台本を読んで初めて知ったんですよ。それまでは全く聞いていなかったから勝手にいろんな想像を膨らませていたんです。55歳で童貞なのは異常な潔癖症だからかマザコンだからか? なんて。そんな中で4話の台本を読んで初めて「え、俺EDなんだ!?」と(笑)。実は6話でもある設定が明かされるんですけど、もう本当に台本が来るたびにビックリしていますね。
――生徒の中では比較的性格も大人な方だと思っていたのですが(笑)。
最初にプロデューサーからは「“ちょいワル親父”なのに実は童貞だったという設定」と言われたんです。そのギャップは面白いかもしれないけど、今の俺のどこに“ちょいワル”っぽいところを感じます!? (笑) スーツは最先端のものを着ているらしいんですけど、自分ではよく分からないし。台本にはオトナ高校に入る前の、ちょいワル的なカッコいいやりとりは描かれていないので、今となっては正直…キャラが崩れて来ていますね(笑)。
――今作の題材自体についてはどう感じられましたか?
まずタイトルがキャッチーだなと思いました。事情を聞いたら今は実際に30歳を越えて経験のない方が多くて、そういう講座もあるんだとか。それを知って、あぁある意味これはドキュメントに近い部分もあるんだなと。脚本の橋本(裕志)さんとは昔、『ショムニ』(1998年ほか、フジ系)でも5年ほど一緒にやっていたので、この空気感は大好物。撮影中も「ここはこうしてみよう」「ここはもっとこうやっていけるな」というのはすごく考えていますね。
――高橋さんのアドリブが満載だというお話は、ほかのキャストの皆さんからもかねがね。
(三浦)春馬くん演じる高飛車で世の中を分かっていないような人間が少しずついろんなことに気が付いていくっていう成長物語である一方、やっぱりこの作品はコメディーだと思っているので。だって国家が人の性事情を把握してるなんて!? しかも学校を休んだら捕まっちゃうんだから!(笑) ここまで無茶苦茶な設定だったら、逆にリアルにやらない方がリアルになるじゃないですか。こういう喜劇は自分の中でもやりたいことですし、どんどん振り切っていきたいと思っています。たとえ止められたとしても、やっぱり出せるものを出し切っていかないと楽しくならないですしね。
――「止められてなんぼ」なんですね。
どんな作品でもそう思っています。現場でどんなに「要らないよ」と言われたとしても、自分の解釈を間違えてしまっていたとしても。準備できることは全部やる。それをしてこそ役者だと思っていますから。あとこの現場では主役の春馬くんに自然と引っ張られてそうなっている、という部分もありますね。