
登場人物たちの衣装は古装ものらしく絢爛豪華ながらも紺を基調とした落ち着いた寒色系に統一され、シックな雰囲気。特に涼しげな目元に鼻筋の通ったシャープなビジュアルが魅力のミンハオには、この世界観がよく似合う。一方で、その名にもある朱の差し色が鮮烈で、初回、朱厭が卓翼宸を訪ねて初めて刀を抜くシーンでは、青みを帯びた世界の中で朱厭が放つ朱の妖気が彼の唯一無二の存在感を表しているようだ。
ミンハオが長い髪をなびかせしなやかに躍動するアクションも抜群で、重々しいロック調のBGMに動きを合わせた殺陣がクールでスタイリッシュ。さすがは元アイドル、ミンハオの体のキレもシャープで美しく、戦いというより演舞と言いたくなるような完成度の高い戦闘シーンが序盤から繰り広げられていく。
ティエン・ジアルイは「雲之羽」でデビューした最旬スター
共演キャストも次世代を担う注目の若手スターが揃っている。文瀟役のドゥーリンは、年間16冠を達成した2023年の大ヒット中国時代劇「蓮花楼」でチョン・イー演じる主人公・李蓮花の元恋人を演じ、注目を集めたばかり。本作でも愛らしくも知的なビジュアルは健在で、恐ろしい力を持つ大妖・朱厭でも唯一頭が上がらない強いヒロインキャラとして、ミンハオとコミカルなやり取りを披露している。
一方、朱厭に対して憎しみと信頼という、相反する感情を抱えて葛藤する卓翼宸役のティエン・ジアルイは 「雲之羽」で俳優デビュー。同作でいきなりジャン・リンホー演じる主人公と対立する役柄を演じ、端正なビジュアルで一躍スターの仲間入りを果たした最旬スターのひとりだ。「大夢帰離」では、朱厭に対して複雑な感情を抱える人間味あるキャラクターとして、ドラマに深みをもたらしている。
このほか、元宇宙少女のソンソことチェン・シャオがクール・ビューティな弓の使い手・裴思婧(はいしせい)を演じるほか、特別出演として中国を代表する女優グーリー・ナーザー、「雲之羽」にも出演した人気俳優チョン・レイも登場。美しくファンタジックな世界観に華を添えている。
中国ファンタジー時代劇ならではの“美しさ”の魅力にダーク&ゴシックのスパイスを加え、絢爛な美術と見目麗しいキャスト陣で練り上げたスタイリッシュな物語がこの「大夢帰離」。序盤は設定が少々複雑に感じるかもしれないが、目を奪う画面の美しさが視聴意欲を掻き立て、気づけばどっぷりとこの世界観にハマっていること間違いなし。中国で2024年10月に配信されるやランキングトップに躍り出た注目作、中国ドラマファンはもちろん、中国ファンタジー時代劇になじみがないという人にこそチェックしてほしい作品だ。
◆文=酒寄美智子
◆「大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~」詳細ページ
https://www.eigeki.com/special/daimukiri
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