雀「俺にはひとりで生きる覚悟も2人で生きる覚悟もなかったんだ」
休日に2人で出かけようとした矢先に田中と鉢合わせし、ごまかして雀はひとり帰宅。慶司との関係に自信が持てなくなってしまう。
そんなとき、黒木からバーベキューに誘われ、気分転換に黒木家を訪ねることに。ひょんなことから3人の娘たちの子守りを任され、おままごとやゲームに奮闘。雀は、黒木の娘たちから結婚や子供の事を無邪気に問いかけられ、思わず返答に詰まる。そして、家庭と仕事を懸命に支える黒木を目の当たりにする雀。
黒木家を出て帰途についた雀は、バーベキューのあとに結婚について話した黒木の言葉、「相手の人生を背負う覚悟」を反芻する。その頃、暗い夜道をひとりで歩く雀とは対象的に黒木の家では妻が帰宅して、わいわいと迎え入れる家族の明るい声が響いている。
雀は歩きながら田中と遭遇したときのことを思い返し、「2人つき合ってんだ」という田中の言葉に「十条さんはないわ」と慶司が返したことが蘇る。「俺は覚悟どころか、土壇場で日和って慶司にあんなことを言わせてしまった」と心のなかで雀はつぶやく。
「勝手に浮かれて乗り越えてきたつもりでいた」と思いながら、リストのことが慶司にばれて、リストをこなして距離を縮めてきた楽しい日々を思い出す。
雀は「結局、いつも慶司に引っ張られてきただけで自分で乗り越えたわけじゃない。俺にはひとりで生きる覚悟も2人で生きる覚悟もなかったんだ」と自戒してとぼとぼと歩くのだった。
「引っ張られたっていいじゃないか!」と雀の肩を揺さぶりたい衝動に駆られたが、年上で誠実な雀がそう考えてしまうのも無理ないと思えて、切ない涙が込み上げてきた。X(旧Twitter)でも、「つらすぎて泣く」「あまりにも切ない」「雀ちゃんの心にズシッときた覚悟と言う言葉」「自分を責めちゃってるのが辛い」とコメントが寄せられた。
◆構成・文=牧島史佳



































