
俳優の北村匠海が9月24日、都内で開催された映画「愚か者の身分」(10月24日[金]公開)の完成披露試写会に、林裕太、綾野剛、永田琴監督と登壇。綾野の答えに思わず赤面する場面があった。
闇ビジネスの世界から抜け出す3日間の逃走劇
「第二回大藪春彦新人賞」を受賞した西尾潤による同名小説を実写映画化した同作は、一度入ると抜けられない闇ビジネスの世界を舞台に、運命に翻弄されながらも生き抜こうともがき続ける若者3人による、恐るべき3日間の逃走劇。
とある犯罪組織の手先として戸籍売買を行うタクヤ(北村)。タクヤに誘われてこの世界に足を踏み入れた弟分のマモル(林)。そしてタクヤをこの道に誘った兄貴的存在であり、裏社会の運び屋の梶谷(綾野)。欲望渦巻く“眠らない街”、新宿・歌舞伎町から大金が消えた事件をきっかけに、彼らの運命は激しく揺れ動いていく。
綾野剛とでなければできなかったシーンに北村匠海が手応え
主演の北村は、「やっと日本で、この映画が僕たちの手を一歩離れる時が来たな、というのを実感しております。この映画で過ごした日々っていうのは、改めて“生きる”ということだったり、“生きる”を授けるということに、僕ら3人がいろんな角度から向き合って、そして『じゃあ、身近にいる人に何を残していくのか』ということを真剣に考えた日々でした」と本作の撮影期間を振り返る。
続けて、「生きることは苦しいけれども、それでもやっぱりご飯がおいしかったり、誰かと過ごす時間だったり、明日があるということだったり、そういうこと(幸せを感じる瞬間)を改めてこの映画で感じていただけるんじゃないかなと思います」と述懐した。
また、それぞれの共演シーンについても告白。綾野との共演については「剛さんとは、振り返れば小学生の時に、映画『シュアリー・サムデイ』(2010年)という作品に出させていただいたりとか、共演シーンはないんですけど、その前には映画『TAJOMARU』(2009年)っていうのもあったりとかして。
それからドラマ『幽☆遊☆白書』(2023年、Netflix)で再会して。その時は、1カ月くらいのアクションシーンでずっと戦いっぱなしで、正直もう顔も見たくないくらいで(笑)。(役柄上)敵なので」と、これまで多くの作品で共演してきたことに言及。
その上で、「そして今回再会して、タクヤという役はいろんなものを失うことが多かったりする中で、『(梶谷役が)剛さんで本当に良かったな』って思う瞬間が毎日ありましたし、本当にこの2人じゃなきゃできないシーンっていうのが後半に詰まっていました」とにっこり。
さらに、「特に2人の掛け合いのシーンでは、台本に書かれていないせりふの間の相槌など、2人がいろんな芝居で埋める作業も、剛さんから先にアクションかけてくれて、自分がそれに乗っかっていくみたいなことが多かったので、それはすごく(タクヤと梶谷の)2人の関係を作る上で大事でした」と明かした。

北村匠海「生まれ変わったらヤドカリになって、おしゃれな家を探したいです」
ほか、登壇者が「生まれ変わったら何になりたいか? やってみたいことは?」という質問にフリップに書いて回答する一幕も。
北村は「ヤドカリになりたいなと。役者って、ヤドカリじゃないですか。(この作品では)タクヤという宿を借りて、また違う役という宿に引っ越しして…っていう。この前、ヤドカリを見ていたら、無骨な貝のやつもいれば、きれいな宿を発見しているやつもいて、『そういうのいいな』って。だから、生まれ変わったらヤドカリになって、おしゃれな家を探したいです」と告白。
そんな中、綾野が「(やってみたいことは)言語ですね。僕は今、日本語っていう言語で役者をやっていますが、世界に日本語の魅力をどんどん伝えていきたいんですよね。だから、生まれ変わったら日本語以外の言語でもお芝居をしてみたい。日本語以外の言語でも感情を出せるようになりたい。そう思っていたら(回答が)『言語』になりました」と答えると、北村は「恥ずかしくなってきました。僕…」とうつむいて笑いを誘った。
◆取材・文=原田健
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