「君の名は。」「陸王」で注目の上白石萌音 「こんな娘がほしいと思ってもらえたら…」
'16年、ヒット映画「ちはやふる」に出演し、大ヒット劇場アニメ「君の名は。」でヒロインの声を演じるなどして、その名をとどろかせた上白石萌音。映像作品にとどまらず、ミュージカル、歌手と多岐に活躍する彼女は、幼少期から歌と踊りが大好きな子だった。
「家にピアノがあって音楽は身近な存在でしたが、椅子にじっとしていられない子だったので、お母さんが『この子はミュージカルが好きなのではないか』とたくさん作品を見せてくれてたんです。だから、当時から舞台に立つことに憧れていたんです」
その後、海外生活を経験し帰国。そして13歳のとき、「第7回東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞し、芸能界へ。
「私の中にあったお芝居は舞台のものだったので、初めて映像作品に出たときはどうすればいいのか分からず、苦戦しました。動きが大きくてカメラからはみ出しちゃうし、普通に動くというのも分からなくて。でも、映画『だいじょうぶ3組』('13年)の廣木(隆一)監督が私にお芝居をゼロから厳しく植え付けてくださったんです」
「陸王」の宮沢家はちょっと暗い!?
おかげでフィールドを選ばずにさまざまな演技ができるように!この秋は連ドラレギュラー2作目にして、池井戸潤原作ドラマ「陸王」(TBS系)に出演し、ランニングシューズの開発に挑戦する主人公の娘・茜を熱演中。老舗足袋業者のノウハウを駆使しながらランニングシューズ作りに奮闘する父親の宮沢紘一(役所広司)に、タイミング良くヒントを与えるという役どころを元気に演じている。
「宮沢家って、ちょっと暗いんです(笑)。お父さんは仕事で悩んでいて、お兄ちゃん(山崎賢人)はお父さんに反抗してるから。だから、その中で1人チャキチャキした明るい存在でいてほしいと演出の福澤(克雄)監督に言われているので、アップテンポで話すようにしています。茜は的を射ていることを何げなく放つ子だなと思うのですが、それを意図して言っているのか、演じてみてもまだ分からなくて。でも、ハッと気付かせることを言う子なので、私もこの先の活躍を期待してます(笑)」
役所や母親役の檀ふみら大先輩たちと共演し、「素晴らしい現場に出合えました」とうれしそうな上白石。撮影もとても楽しそうだ。
「茜はお父さんが大好きで、本当に真っすぐないい子なので、こんな娘がほしい、こんな妹がいたら…と思ってもらえるように演じられたらいいなと思っています」
11月24日発売 月刊ザテレビジョン1月号より抜粋
(取材・文=及川静)