
北山宏光が、10月16日に都内で開催された舞台「醉いどれ天使」製作発表記者会見に登壇。共演の渡辺大、横山由依、岡田結実、阪口珠美、佐藤仁美、大鶴義丹、演出の深作健太氏と共に、自身が演じる役への思いを語った。
日本映画界の伝説的コンビによる名作の最新舞台版
同作は、日本をはじめ世界中に大きな影響を与えた名匠・黒澤明さんと盟友・三船敏郎さんが初めてタッグを組んだ映画の舞台化作品。戦後の混沌とした時代に生きる人々の葛藤を描く。2021年にも舞台化され、今回は新たなスタッフ・キャストにより、作品の持つ魅力を引き継ぎながらも新たな視点で“2025年版”として上演される。演出を深作氏が務め、脚本は2021年の舞台版に続いて蓬莱竜太氏が手掛ける。
主演としては「THE NETHER(ネザー)」(2019年)以来6年ぶりの舞台となる北山は「歴史ある作品に携われること、とてもうれしく思っておりますし、この令和にまた生み落とすことに意味を感じています」と話し、「自分なりの松永を演じていけたらいいなと思いますし、見てくださった方に何か心に残るもの、そしてそこから咀しゃくして体にしみ込んで考えていただける作品を目指して作っております」と力を込めた。
北山は闇市を支配する若いやくざ・松永を演じるが、役どころについては「一見ものすごく武骨で、言葉使いも荒かったりするんですが、実は人間らしくて柔らかい、心の弱さみたいなものを台本から抽出できたらいいなと思っているので、ものすごく人間らしく演じられたら」とした上で、「見た方に共感してもらえるような落としどころを表現することで、僕なりの松永を演じられるんじゃないかなと思っております」と意気込んだ。
ちなみに映画版では名優・三船さんが演じた役だが、意識しているかを問われると「とても意識はしますけど、今の時代で僕が演じるということの意味をそこに持たなきゃといけない。もちろん、“大お手本”ではあると思うんですけど、僕がやることでオリジナルに見せていくことが課題になってくるんじゃないかなと思っております」と思いを吐露し、「全体の流れとしては、きっとこうなっていくんじゃないかな、というところをちょっとつかみ出しました」と役作りの手応えをにじませた。
岡田、北山に“餌付け”「あれを与えておけば…」
また、今作では横山と岡田がWキャストで演じる松永の幼なじみ・ぎんが映画版よりもフィーチャーされているのも特徴的。
ぎんが松永の気持ちをどう動かしていけるか、というところも見どころとなるが、取材陣から北山の心をどのくらい動かせているかを聞かれた横山は「えっ?(笑) まだ稽古して2週間ぐらいなので…『動かせます!』って言えるぐらい、稽古期間でしっかり向き合っていきたいと思います」とやや意表を突いた質問にタジタジになりつつ、笑顔で返していた。
一方、同じく北山演じるぎんと対峙(たいじ)する岡田は、同じニュアンスの質問に「よく稽古場で、パリパリするお菓子を食べてらっしゃるんですよ(笑)。『このお菓子いいなぁ~』って言いながら」と暴露すると、北山は「あれだよね、ラーメンの乾燥したやつ。あれめっちゃうまいね!」と身を乗り出す。
さらに、岡田が「それです!あれを与えておけばいいかなって(笑)。本当にずっと食べてらっしゃるんで!」と続けると、横で聞いていた渡辺がたまらず「犬じゃねえから」とツッコミを入れ、北山も「餌付けです」とほほ笑んでいた。
舞台「醉いどれ天使」は、11月7日(金)~23日(日)まで東京・明治座、11月28日(金)~30日(日)まで愛知・御園座、12月5日(金)~14日(日)まで大阪・新歌舞伎座にて上演される。
◆取材・文=月島勝利(STABLENT)
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