伝説の侍、坂田銀時……ではなく、やる気ゼロの高校教師・坂田銀八(CV:杉田智和)と、おなじみの「銀魂」キャラクターたちが生徒となって繰り広げるなんでもありな学園コメディ「3年Z組銀八先生」(毎週月曜24:00-24:30、テレ東系列ほか／ABEMA・dアニメストア・ディズニープラス・Hulu・Lemino・TVerほかで配信)。第1講「100点とらなくていい70点でいいって塾の先生言うよね」は、開始早々TVアニメ化の裏事情を暴露するメタ発言のオンパレードと、全く授業をしない銀八先生＆カオスすぎる教室の様子が描かれた。(以下、ネタバレを含みます)
TVアニメ化の裏事情をいきなり暴露!? 帰ってきた“銀魂節”
物語は、「銀魂」の主人公・坂田銀時(CV:杉田智和)が、本作の主人公・坂田銀八に主人公のバトンを渡すという謎の精神世界からスタート。そこで銀時は、某プロデューサーがノリと勢いで「新しい銀魂作ります」と言ってしまったことがTVアニメ化のきっかけだと暴露。さらに、この作品が20年以上前の単行本のおまけページから始まったことを取り上げ、「銀魂ファン」からすれば「パチモン」なのではないかと自虐。さらにはアニメの制作スタッフがプレッシャーで次々と倒れているなど、放送コードギリギリの内情を次々とぶっちゃけるのだった。
「これぞ銀魂！」とファンが膝を打つ、メタネタ全開のオープニング。いきなりTVアニメ化の経緯を暴露し、関係各所をイジり倒すスタイルは本作でも健在だ。特に、某国民的アニメを彷彿とさせるパロディや、実写版キャストにまで言及するやりたい放題っぷりには、SNSでも「開始数分でこれか！ でもこれが見たかったんだよw」「銀魂が本当に帰ってきたって実感した」「プロデューサーと原作者(ゴリラ)イジり、相変わらずで最高w」と、歓喜の声が殺到。コンプライアンスがより一層厳しくなったこの現代に、このノリを貫いてくれる制作陣への感謝の声が多く見られた。もちろんこれは製作陣と関係各所の長年の信頼関係の賜物であり、計算され尽くした“ノリ”ではあるのだが、それでもついついハラハラしてしまうのがこのシリーズの魅力だろう。
給料20%カットの危機！ カオスすぎる3年Z組
場面は校長室へ。ハタ校長(CV:坂口候一)から、3年Z組の成績が悪すぎると叱責される銀八。来週のテストでクラス全員が1科目でも80点以上取れなければ、週末補習＆銀八の給料20%カットという罰則を言い渡されてしまう。銀八は、補習を平日まで拡大する代わりに自身の給料カットを10%に下げるように交渉したうえで、この喧嘩を買う。教室に戻り、生徒たちに事情を説明する銀八だが、教室は最初からカオスそのもの。神楽(CV:釘宮理恵)はタコさんウインナーを盗み食いされ怒り狂い、近藤勲(CV:千葉進歩)は志村妙(CV:ゆきのさつき)に愛を叫び、土方十四郎(CV:中井和哉)と沖田総悟(CV:鈴村健一)はスマホを巡って揉めるなど、全く話を聞いていない。
おなじみのキャラクターたちが、学生服姿で好き放題に暴れる姿はファンにとってたまらない光景だろう。特に、銀八が「決まってんだろ？ カンニングだ」と堂々と言い放ち、それを志村新八(CV:阪口大助)が全力でツッコむやり取りは、まさに万事屋の日常そのもの。またそんな新八も、推しアイドルとの交流をほのめかされた途端にコロッと態度が豹変するなど相変わらずのチョロさを発揮。とにかくあまりにカオスな教室の様子には、SNSでも「全員キャラが濃すぎて情報量がすごいw」「新八のツッコミが追いついてない！」「ヅラが普通に授業受けてるだけで面白い」など、各キャラクターの“らしさ”を楽しむ声で溢れていた。
理事長の鶴の一声で解決!? 結局いつも通りのグダグダ感
カンニングは難しいとの結論から、仕方なく真面目に勉強する事になったZ組の面々。あまりの勉強嫌いからか、吐血して倒れていく生徒たちだったが、どうにか一週間を乗り切り、いよいよ試験当日。暗記すれば誰でも解ける簡単な問題を予想していた新八だったが、その予想は大きく外れ、激ムズなテスト問題にZ組は撃沈。こうして完敗に思えた今回のテストだったが、これは校長が仕組んだ罠であることを銀八が看破。さらに学校の理事長であるお登勢(CV:くじら)の登場により形勢は一気に逆転、見事に補習のペナルティを免れるZ組だった。
終盤は銀魂シリーズらしいはちゃめちゃ展開の連続。テストに向けて一致団結したかと思えば、テストが終わると予想を外した新八を全員で袋叩きにするなど、ギャップがエグい。さらには絶体絶命のピンチを銀八の機転によって切り抜けるなど、はちゃめちゃながらもなぜか丸く収まってしまう展開は“銀魂”の真骨頂だろう。結局、銀八は給料10%アップを要求して殴られ、物語は幕を閉じるが、このグダグダ感と安心感にはSNSでも「お登勢さん最強すぎるw」「結局何も解決してないのが銀魂らしくて最高」「このノリでずっと続いてほしい！」など、今後の展開への期待を寄せる声が多く見られた。さて次回第2講「見た目が変わっても中身は変わらないのが人間」ほか2本は10月13日に放送済み。次回のレビューもお楽しみに。
◆文／岡本大介
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
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