石川三千花氏(イラストレーター)
その歌声は、くすぶる若き心を受け止めて、私たちをここではないどこかに連れ出してくれた。音楽に向き合う純粋さを持つものだけが到達できる、ミュージシャンとオーディエンスの絆。その創作の現場を、私は本作で確認した!
ISO氏(ライター)
マッチョな風貌とは裏腹に心の痛みや弱さをオープンに語り、マイノリティのために声を上げ続ける優しき“ボス”(スプリングスティーン)が、幼少期の傷や己の弱さと対峙し始めた心の旅路。その出発点が「Born in the U.S.A.」が生まれる前の「ネブラスカ」にあったとは。“ボス”の姿勢と同様、どこまでも誠実に心の不調と向き合った一作。これほどシンパシーを覚える伝記映画は初めてかもしれない。
内山拓也氏(映画監督)
ロックの殿堂を讃える、純然たるハリウッド映画。今を過去ではなく、今を今にするために通らなければいけない道のりがあることを教えてくれる。深い味わいを与えるジェレミー・アレン・ホワイトの快進撃はどこまで続くのか。「一流シェフのファミリーレストラン」で一躍追わなければいけない存在になったが、学校の優等生、プロレスラー、そして伝説のミュージシャンと常に変幻自在だ。彼の力強い瞳には、スター俳優の系譜に連なる物憂げな情けなさがきちんとある。
宇野維正氏(映画・音楽ジャーナリスト)
世界的なスーパースターとなってもなお、市井の人々の代弁者であり続けることができたスプリングスティーン。本作はその謎を見事に解き明かしてくれる。彼の繊細な魂を守り抜いた音楽ジャーナリスト出身のマネージャー、ジョン・ランダウになりきったジェレミー・ストロングの名演に心を打たれた。
海津亮氏(ロッキング・オン)
「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」。この米国賛歌だと思い込まれたタイトル作の天文学的ヒットによってブルース・スプリングスティーンは国民的英雄になる。しかしその歌詞はベトナム戦争への内省に溢れ、決して自国肯定ではなかった。そんな自己矛盾を抱えながら彼は世界を熱狂させるロックヒーローである事を引き受けた。深い葛藤を内に秘めながら。これはその2年前の物語。今明かされるリアルに魂が震える。
小倉エージ氏(音楽評論家)
苦悩、困惑、逡巡、葛藤だけではない〈重荷〉を抱えていたアルバム『ネブラスカ』!抗う術のない父との関わり、愛おしい母。過去との対峙が浮き彫りにする家族の〈絆〉。『孤独のハイウェイ』が明かす予想外の逸話に、言葉を失くすよりほかなかった!
芝山幹郎氏(評論家)
華やかなアメリカは出てこない。晴れた青空も出てこない。心の苦しみを全身で受け止めるスプリングスティーンが、殺風景な部屋で素手の曲作りに挑んでいる。その姿に正対する監督も、肝を据え、肚を決めて、素手で映画を撮っている。素手の勝負と素手の勝負がぶつかり合い、並々ならぬ緊迫感が画面に立ち込める。
高嶋政宏(俳優)
出だしからホンモノのスプリングスティーンのライブ映像かと思うほどのすごい役作り!!「Born in the U.S.A.」が完成したところ涙腺崩壊!!数日経っても、まだ胸がジーンとしてます!
中川五郎(フォーク歌手、文筆業)
びっくりした。バンドと共に時代を駆け抜けるロック・ミュージシャンのブルースの姿が描かれている劇映画だろうと思って見たら、ギター弾き語りの自宅録音で作った1982年の異色アルバム『ネブラスカ』の頃の彼に焦点があてられたとてもシリアスな作品だった。思索し、内省し、創作に打ち込み、商業主義に与しないブルース。父との確執、母への愛、恋愛観。ミュージシャンというよりも人間としてのブルースが丁寧に描かれた重くて深い劇映画だ。
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