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又吉直樹「渋谷の街で『又吉がこっち見てるぞ』って、ザワザワされました(笑)」 ずぶ濡れで帰ったエピソードも!

2017/12/12 19:42

初のテレビドラマ脚本を担当する又吉直樹
初のテレビドラマ脚本を担当する又吉直樹 撮影=下田直樹

人気芸人であり、芥川賞作家でもある又吉直樹が「許さないという暴力について考えろ」(12月26日火曜、NHK総合にて放送)でドラマの脚本に初挑戦。常に何かを発信し、世界が注目する「渋谷」を舞台に、自身の下積み時代の懐かしい思い出も詰まっている東京の街の“今”を切り取っていくという。完全オリジナル作品となる本作について又吉に直撃インタビューを行った。

――脚本を書くきっかけについて教えてください。

又吉「企画の段階で、渋谷を題材にという案をいただきました。最初の頃はもしかしたらコントになるのかなと思ったりもしましたけど(笑)、書き進めていくうちに、これはやっぱりドラマだなと気付いて。映像になったらどうなるのか、すごく見てみたいと思える作品になっています」

――脚本執筆の合間には、実際に渋谷の街を歩いてネタ探しをしていたとか!

又吉「駅前や百軒店とかをブラブラしましたね。撮影で使うお店を教えてもらって、腕を組みながら30分ぐらい中の様子を見ていたこともあります。ガラス張りの店だったので『おい、又吉がこっちを見てるぞ』って、お客さんたちがザワザワしていましたね(笑)。自分の想像だけで書くと、人間として普通の動きになってしまうんですよ。でも、人間って結構めちゃくちゃなことをするんです。席を立って一回外に出て行って『あ、ちゃうわ』みたいな顔でトイレに行く人とか(笑)。どんな間違え方やねんって思うけど、こういうもんやんなぁって。あっ、今のエピソードは脚本に反映させてないですよ(笑)」

――上京したばかりの女性・チエ(森川葵)や「渋谷」を取材するテレビディレクター・中村(森岡龍)ら登場人物たちを軸に、自分自身と向き合うことの大切さを描いていますね。

又吉「渋谷は若者の街とよく言われますけど、かつて若者だった人たちの街でもある。それぞれの世代の渋谷という雰囲気を出せたらいいなと。渋谷=若者、ハメを外している…といった簡単な捉え方にならないよう心掛けながら書きました」

――本作は“許さない・不寛容”がテーマになっている人間ドラマですが。又吉さん自身も、普段の生活の中で不寛容さを感じたことがあるとか。

又吉「社会全体もそうですし、一人一人にもあるような気がします。特に渋谷という街は出やすいのかなと。渋谷のことを考えたときに“不寛容”という言葉が出てきました。この前、ラーメン屋さんを出るときに傘立てから自分の傘を取ろうとしたら、全部同じようなビニール傘が並んでいたんです。どれが自分のか分からなくなったんですけど、多分この種類やったなと思ってその中の1本を手にしたら、お店の行列の中から『俺のだよ!』っていう声が聞こえてきて。そんなふうに強く言わんでもと思ったんですけど、気まずかったんで結局傘を取らずに、そのままぬれて帰りました(笑)。何か怖いですよね。僕もそうなんでしょうけど、みんな余裕ないんやなと思いました(笑)」

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

許さないという暴力について考えろ
12月26日(火)夜10:00‐10:50
NHK総合で放送

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