
耕一も夢に向かって熱い思いをにじませる
加奈子の牧場でホープとハピネスの子どもが無事に生まれ、耕造は「ロイヤルファミリー」と名付けた。耕造は入院中のベッドの上だったが、栗須と耕一に「ファミリーで忘れ物取りにいくぞ。有馬記念」と、はっきりと宣言した。
タイトルの回収ともなる、みんなの夢がかかった新しい馬。視聴者からも「ここでタイトルきた」「タイトル回収で泣いた」と反響が上がった。
ロイヤルファミリーを競走馬に登録申請したことを耕造に報告した栗須と耕一。耕造はベッドから起き上がり、耕一の腕をグッと握り「まだ譲ったわけじゃねえんだ。俺の代理としてデビュー戦、必ず勝たせろ」と言う。耕一は、耕造が離そうとした手を止め、「もちろんです」と力強く返した。
そんな耕一は、広中がファミリーの特性を生かして短距離専門に絞る可能性があると話すと猛反対した。「有馬記念は長距離の2500mです。いくら短距離で勝ち進んでも、肝心の有馬では勝負にならないと思うんです。僕たちの目標は、ホープがとれなかった有馬をファミリーでとることですよね?」と熱く語った。耕一も、耕造が率いてきたチーム、いや“ファミリー”の一員として有馬記念という夢に向かって走り出しているのだ。

ロイヤルファミリーのデビュー戦に涙
そして、ついにファミリーがデビュー戦の日を迎えた。ただ、競馬場に耕造の姿はない。ファミリーには、耕造の娘・百合子(関水渚)と結婚した隆二郎(高杉真宙)が騎乗し、勝ちを目指してゲートに入った。
そのころ、耕造は心拍が下がり、病室には百合子、妻の京子(黒木瞳)、長男の優太郎(小泉孝太郎)が集まっていた。優太郎がパソコンを持ち、寝ている耕造にファミリーの中継を見せた。
スタートすると、ファミリーが出遅れた。耕一、加奈子とともに馬主席で見守る栗須は「あぁ、もう…」とたまらず目をつぶり、控室のモニターで見ていた広中はファミリーの父であるホープと同じ展開に「こんなとこまで引き継がなくても」とつぶやく。
しかし、ファミリーは見事な追い上げを見せ、ゴール間際で先頭に立って勝利した。耕一は栗須に抱きつき、競馬場も歓喜に沸く中、病室の耕造は一粒の涙をこぼし、競馬嫌いだったはずの京子が「面白かったわ」と話しかけた。
レース終了後の口取り式(記念撮影)。加奈子が馬主の代理として耕一を並ばそうとするも遠慮する。すると、病院からと思われる連絡を受けた栗須が「ファミリーのそばに立つのは耕一さんです。今、この時から、耕一さんがファミリーの馬主です」と涙をこらえながら告げた。
栗須の言葉が意味するもの。それは耕造の死だ。喜びの中に悲しみが押し寄せ、栗須も加奈子も耕一も涙に濡れる記念撮影となった。これまで何度も涙を流してきた栗須だが、今回の涙は一段と胸に迫った。手に汗握るレースを見守った視聴者からも「これは泣く」「涙腺崩壊」といった声が続々と上がり、中には「神回」という感想もあった。
耕造の馬の歴史を記事にしようとしている新聞記者の平良(津田健次郎)は、長く決めかねていたタイトルを「継承」と決めた。ホープからファミリーへ、耕造から耕一へ。継承された有馬記念という夢に向かって、栗須は寄り添っていく。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

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