
ハロー!プロジェクトのアンジュルムが11月30日、東京・日本武道館でコンサート「アンジュルム 2025 autumn『Keep Your Smile!』 final」を開催した。この日は約9500人のファンの前で、アンコールを含めた全24曲を披露。MCなしのノンストップライブで、アンジュルムらしい元気で激しいパフォーマンスを繰り広げた。
初心に帰ったライブハウスツアー、千秋楽は日本武道館
2025年6月に前リーダーの上國料萌衣が卒業し、8月には15歳の新メンバー・長野桃羽が加入。伊勢鈴蘭をリーダーに、為永幸音、橋迫鈴、川名凜、松本わかな、平山遊季、下井谷幸穂、後藤花、長野の新体制では初の武道館公演となる。
同グループは2009年にスマイレージとしてデビューし、2014年にアンジュルムに改名。ハロー!プロジェクトの中ではモーニング娘。に次いで歴史の古いグループとなる。
ライブハウスツアーから始まったスマイレージの歴史もあり、“初心に帰って個々の技術や表現を磨こう”というテーマのもと、今秋ツアーは全国のライブハウスを巡る形で開催。ツアータイトルの「Keep Your Smile!」はアンジュルムの円陣の掛け声であり、笑顔に始まり、笑顔で帰ってほしいという思いが込められている。
そんな秋ツアーの千秋楽・日本武道館公演は、舞台裏で行われていた9人の円陣の生中継からスタート。グループ名・アンジュルムの由来でもある天使の羽をモチーフにした純白の衣装でそれぞれがステージに登場した。
アンジュルムの代表曲「愛すべきべきHuman Life」「出すぎた杭は打たれない」「乙女の逆襲」、アルバム曲の「トラブルメーカー」と4曲を続け、観客へあいさつ。伊勢が「日本武道館にお集まりの皆さん、アンジュルムです!」と呼び掛けると、会場からは女性の声も目立つ大きな声援が飛ぶ。ここは今のアンジュルムの女性人気の高さを伺わせるシーンになっていた。
「今日の意気込みを聞いていこうかな」と伊勢に指名された川名は、「今回はライブハウスツアーで、お客さんと近い距離での熱量のやり取りをしてきたので、ここでもそれを発揮できるように精一杯頑張りたいと思います。皆さん、一緒に戦ってください!」と、元気に声を上げる。
そして、新メンバーの長野は今回が初めての武道館。「自分がこの舞台に立つことがまだ全然信じられなかったんですけど、こうやって皆さんの姿を見て、すごく感動してます。なんかもう、景色が星みたいですね」と、9色のサイリウムが輝く会場を見渡し、初々しい言葉でメンバー、ファンたちをほっこりさせていた。

MCなしで一気にラストまで、アンジュルムのノンストップパフォーマンス
ライブはここからMCなしで、17曲をノンストップで駆け抜けていった。最新アルバム『Keep Your Smile!』収録の「右ななめ後ろから」も初パフォーマンス。ライブハウスツアーでも「夢見る 15歳」「有頂天LOVE」などスマイレージ曲が披露されてきたが、武道館では「寒いね。」「プリーズ ミニスカ ポストウーマン!」「私、ちょいとカワイイ裏番長」を3曲連続でパフォーマンスした。「寒いね。」のイントロでは会場からどよめきが沸いていたが、反応したのはおそらく長くグループを応援してきたファンたちだったに違いない。
後半では再びアンジュルム曲に戻り、「赤いイヤホン」「アイノケダモノ」などを披露。さらに、今ではライブでのキラーチューンとなっている「大器晩成」へ。同曲はアンジュルムに改名しての初シングルで、動員に苦しんでいたグループの風向きを変えた曲でもある。今のファンが盛り上がるのはもちろん、往年のファンにとっては特に響く曲であっただろう。
本編ラストは、メンバー同士のカップリング演出がまぶしい「友よ」。メインステージ、センターステージ、サイドステージを縦横無尽に使い、会場に目一杯のスマイルを届けていく。そして、アンコール一曲目でアルバム曲「プリズンブレイカー」を初披露すると、ここでようやく本日初の長いMCに。
それぞれが今日の感想を述べる中、後輩からの言葉に感極まった橋迫が号泣するという一幕があったように、スマイレージからの歴史を受け継ぎつつも、新しい世代が成長し、新しいアンジュルムの姿を見せた「Keep Your Smil!」のファイナル公演。
最後に伊勢が、「ここにいる全ての皆さん、そして見てくださっている皆さんが明日からも頑張れるように、私たちから応援の気持ちと、そしてライブハウスツアーで皆さんと一緒に歌った一番最後の曲、たくさん高めてきたこちらの曲を2曲続けて聴いてください」と呼び掛け、「THANK YOU, HELLO GOOD BYE」「スキちゃん」を9人で熱唱。メンバーたちに惜しみない拍手が送られる中、熱気と共にこの日の日本武道館公演は幕を閉じた。




































