ジュディとニック、バディとしての危機にハラハラ
謎に迫っていく中で試されるジュディとニックの絆。今回は“パートナーシップ”が大きなテーマだ。ズートピア警察署のボゴ署長(CV:三宅健太)もパートナーシップを大事にするのが署の方針とするのだが、ジュディたちには疑問を呈して任務としてパートナーセラピーを命じるシーンがある。
そんなこともあって自分たちが思っているように、みんなにもいいバディだと認めてもらいたいと躍起になるジュディ。その張り切りがニックとのすれ違いを生むことになり、前作で築かれたはずの2人の関係が揺らぐ。
ズートピアを駆け巡り、その誕生にまで迫るという、前作以上のスケール感で描かれるミステリー展開と、ジュディとニックの関係にドキドキハラハラ。思わず劇場で声を上げてしまいそうになるほど驚く展開もあり、始まりから最後まで集中力が途切れない面白さだ。
魅力ある新キャラたち、演技巧者の日本語版キャストも豪華!
ネタバレは最小限に…と思いつつ、これだけは言っておきたい。“感動巨編”であること。パートナーシップには何を大切にすればいいのか、生い立ち、価値観といった互いの違いを認められるのかなど、今回も突き刺さることが多い。
それをけん引するジュディとニックを、日本版では上戸と森川が引き続き担当する。テンポのいいやりとりに、「あぁ2人が戻って来てくれた」といううれしさで引き込む一方、バディでありながらも、まだまだ日は浅く、お互いに知らないところもあって戸惑いが生じる様子を丁寧に声に乗せる。
ボゴ署長のほか、ズートピア警察署の受付係・クロウハウザー(CV:高橋茂雄)、ポップスターのガゼル(CV:Dream Ami)、闇のボス・Mr.ビッグ(CV:山路和弘)など、おなじみの面々も要所要所で楽しませてくれる。特に大人気となった免許センターの職員であるナマケモノのフラッシュ(CV:村治学)は、あぜんとする特技を披露して物語を盛り上げる。
そして新キャラたちも魅力的だ。ストーリーのキーマンとなるゲイリーは、猛毒を出す牙を持っているのだけど、性格は愛らしい。忌み嫌われる存在のヘビが愛らしいとは、そのギャップが実にエモい。実力派声優・下野の演技が光る。
ズートピアの外れにある半水生の動物たちが暮らし、爬虫類も隠れ住むマシュー・マーケットに案内するなど、ニックとジュディに協力するポッドキャスト配信者のビーバー・ニブルズ。変わり者だがチャーミングなキャラクターを、声優初挑戦の江口のりこが好演している。
リンクスリー家の御曹司だが、一族の中では“出来損ない”と言われるパウバートは、ジュディのファンで捜査に協力する。声を担当する山田涼介(Hey! Say! JUMP)は、御曹司らしい気品と、柔和で社交的な感じをうまく出して、“イケメン”というところもぴったりだ。
また、ズートピアに隠れ住むトカゲの重鎮、ヘイスースは無口で出番も多くないのだが、名優・柄本明のさすがの演技で印象に残るキャラクターになっている。
さらに公開されるまで明かされていなかったが、ヘビのゲイリーの逃走を手助けしたと疑われ、指名手配犯となったジュディとニックを追い掛ける“ヤギの警察官・ブシュロンとシェーヴル”を堂本光一(DOMOTO)が演じている。堂本はこれがディズニー作品初参加で「ビックリしました。心からうれしかったですね」と喜びのコメントを寄せた。
他にもまだまだいるのだが、新キャラたちによってズートピアのワクワクする世界が、ぐんと広がった。現代社会における多様性が凝縮されたようでもあり、前作以上の感動や余韻を生む。
映画「ズートピア2」は劇場公開中、「ズートピア」はディズニープラスで配信中。
◆文=ザテレビジョンシネマ部

KADOKAWA
発売日: 2025/12/05








































