
ジェームズ・キャメロン監督の最新作となる映画「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」が、本日12月19日(金)に公開される。本作は、2009年に公開された「アバター」、2022年に公開された「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」に続くシリーズ第3作。ストーリーも世界観も過去2作からさらにスケールアップしており、大きな期待が寄せられている。最新作の公開を前に、映画史において転機となり、16年たった今も特別な存在であり続ける第1作「アバター」の魅力、すごさを振り返ってみる。(以下、ネタバレを含みます)
アメリカを代表するヒットメーカーの傑作
キャメロン監督といえば、1980年代に「ターミネーター」や「エイリアン2」を手掛け、1990年代には「ターミネーター2」、そして「タイタニック」を手掛け、「タイタニック」では当時の全世界歴代興行収入第1位を記録した。
「アバター」第1作の舞台は西暦2154年。地球を旅立ったRDA社(資源開発公社)のメンバーたちが、遠く離れた星「パンドラ」で“アバター計画”に着手した。その計画とは、この星の先住民である“ナヴィ”と人間のDNAを組み合わせた肉体・アバターを作り、莫大な利益をもたらす鉱物を採掘すること。パンドラの大気は人間にとっては有毒で、生身のまま降り立つことができないので、アバターが必要になってくる。主人公のジェイク・サリー(サム・ワーシントン)は元兵士だが、足が不自由で車椅子で生活している。
しかし、アバターを使うことで体の自由を取り戻し、パンドラの地に降り立った。そこでナヴィの族長の娘・ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と恋に落ちたジェイクは、パンドラの生態系を脅かす任務に疑問を抱き、地球人と戦うことを決意する。
これが第1作の大まかなストーリーとなるが、境遇や血のつながりの有無も超越し、“家族”という名の下に、大切な人や物を守り抜こうとするジェイクたちの姿勢は、2作目、3作目にも共通するテーマとなっている。
“3D”の特性をフルに生かした革新的な映像美
ストーリーに込められた普遍的なテーマによって多くの人が共感、共鳴、感動する作品になったが、「アバター」が名作といわれ、映画史における重要な1作といわれる理由には、ストーリーだけでなく、“3D”の特性をフルに生かした革新的な映像が挙げられる。
公開当時、映画の3D版が多く公開され、スクリーンから人物、キャラクターが飛び出してくる感覚で人気となっていた。しかし、その多くは通常の2Dで撮影したものを後から3D化したものだった。キャメロン監督は3Dの作品は最初から3Dで撮影するということにこだわり、3Dで撮影するために自身で「フュージョン・カメラ・システム」を開発。
これは、1台のカメラ本体に2台のハイディフィニション・カメラを使用することで、それまでの3Dにはなかった“奥行き”が表現できるのが大きな特徴。撮影時にはキャメロン監督自身がバーチャルカメラを操作しており、そこにも監督のこだわりの強さを感じる。
3D映画は“飛び出す”感覚が特徴的で、それが多くの人の興味を引いていた。しかし、「アバター」では、もちろん手を伸ばせば触れられるんじゃないかと思わせる“飛び出し”も楽しめるが、それ以上に興味深かったのは“奥行き”だった。スクリーン手前の立体だけでなく、スクリーンの向こう側での奥行き。その表現が豊かになったことで、世界が広がり、まさしく圧倒的な“没入感”が得られる。
木々が生い茂る密林の中で、光と闇のコントラストも美しく、映像の中の細部にまでリアリティーが追求され、パンドラの景色、風景もまるで現実かのような錯覚を起こすほどのクオリティーで仕上げられている。3D作品の作り方を世界に示したということも、「アバター」が映画史にとって重要な作品といわれる所以の一つである。実写(実際の人間)とアバターが登場するが、それさえも全く違和感なく見ることができる。実写・CGの境界線さえも超えた作品と言える。
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