
ジェームズ・キャメロン監督の最新作となる映画「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」が、12月19日(金)に公開される。「ターミネーター2」や「タイタニック」を手掛けたキャメロン監督による2009年公開の映画「アバター」は、全世界歴代興行収入ランキングで当時1位だった「タイタニック」を上回る大ヒットを記録。作品世界に入り込んだような“没入感”のある3D世界で、映画の概念を大きく変えた作品でもあった。
より“家族の絆”に焦点を当てた2022年公開の続編「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」も歴代3位になり、第3弾となる本作は世界中が首を長くして待っていた、まさしく“待望”の作品。前作を超えるスケールの大きさ、前作を超える激しいバトルやアクションが展開し、そして「タイタニック」に匹敵する感動をもたらしてくれる作品でもある。ジャパンプレミアに参加するため来日したキャメロン監督にインタビューを行い、「アバター」シリーズ、そして本作のテーマ、見どころなどを聞いた。
2作目と3作目は一つのストーリーの予定だった
――1作目から2作目と比べると、2作目と3作目は短いスパンでの公開となりましたが、プロダクションの際、前作の評判を受けてどのように変更されましたか?
いつも変化し続けているので、そういう意味では変更したところもありました。「アバター」作品は1作製作するのに3000人ぐらいが関わるくらい複雑で、多くの専門家、技術者が関わっています。そういうふうにして、より良いストーリーを作っているわけです。“変化”という意味では、2作目と3作目よりも、1作目と2作目のほうが大きかったと思います。
――それは期間が空いていたということに関係しますか?
それもあります。これは知らないことだと思いますが、2作目と3作目に関しては元々一つのストーリーでお届けしようと思っていたんです。でも、それだと長過ぎるので2つの作品に分けたんです。といっても、どちらも3時間を超えるものになりましたけど(笑)。
――なるほど。2作目と今作は同時期に製作が動き始めていたということですね。
そうです。(試写会で)今作を見て感情的に心が揺れ動かされましたか?
――はい。そういう気持ちになりました。
この「ファイヤー・アンド・アッシュ」が、「アバター」という3つの作品が完成する、最後の一つの物語だということを、見る前に知っていただきたいんです。第4弾、第5弾があるということではなくて、一旦ここで終わります。
――3作目で終わりということですか?
4作目が作れるかどうかなんて、この作品がヒットしなければあり得ないことですし、もし作れるとしても何か新しいストーリーを始めることになると思うので、“第一章”がこの作品で完結するということです。
「しっかりと方向性が決まった形でフィニッシュを迎える物語」
――そういう意味での“終わり”なんですね。
宙ぶらりんの状態になるのではなく、しっかりと方向性が決まった形でフィニッシュを迎える物語だということをぜひ読者の方に伝えていただきたい。
先ほど「感情的に心が揺れ動かされましたか?」と聞きましたが、だからこそ、見たときに満足できるような、カタルシスを感じられるようなものにするために尽力したんです。それで「感じた」と言ってもらえたので、うまくいったのかなと思って安心し、うれしく感じました。
――見終えたときに「すごい」としか言えないような作品だと思いました。
ありがとう(笑)。映画館では、言葉で説明できないようなことが何か起こるべきだと思うので、そう言ってもらえるのはすごくうれしいです。
――1作目、2作目、3作目と作品ごとに表現されていることも増えていると思いますが、今回の作品での新しい挑戦はどういうところですか?
2作目と今作は同じ時期に製作しているので、その2作の間ではあまりそういう挑戦的なものは多くないかもしれません。ただやっぱり、2作目でも今作でも多く出てくる“水”や“水中”の表現は難しかったですね。
それと比べると“火”はそこまで難しくないんですよ(笑)。どちらかというと“火”はシンボリックな形で登場していて、火が“憎悪”や“暴力”であれば、灰(アッシュ)は誰かを失ったときの“悲しみ”や“痛み”なわけです。
――そう言われると、火と灰はシンボリックな意味があって、象徴的なもののように感じます。
憎しみの炎が残すのは追悼の灰だけ。悼む気持ちと喪失、そしてトラウマというのは、長男を亡くしてしまった前作もそうですよね。それが暴力とか嫌悪になってしまうと、連鎖になってサイクルができてしまう。
それは今の我々の現実世界でも歴史をひもといてみると見られることだったりします。だから、映画が問い掛けているのは「どうやったら、私たちはその連鎖を壊すことができるのか。止めることができるのか」ということで、その中でネイティリが興味深いところではあります。
僕は悲観的な終わり方の映画は製作しないので、もちろんうまく解決していくんですけど、どうやって解決していくのかというのが今作の道のりでもあって、そこに“火”のような自然の要素みたいなものがテーマ的に融合していきます。

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