
俳優の山口智子が12月18日、神奈川県内で行われた「THE MOVEUM YOKOHAMA」先行披露レセプションと囲み取材に出席。世界中を旅してきた山口が、現在最も興味のある国を明かした。
山口智子、心の中で「美しい暗闇復活委員会」を立ち上げ
「THE MOVEUM YOKOHAMA」とは、TOYOTA GROUPが神奈川県横浜市の山下ふ頭4号上屋にて、リアルな文化体験と心を育む学びの瞬間を提供するイマーシブ・ミュージアム。約1,800平方メートルの巨大空間で音と映像に包まれる没入型芸術体験ができるイマーシブアートを展開。自分が作品の一部となる一体感や画家の視点を追体験できる。オープニングを彩るのは、グスタフ・クリムトからエゴン・シーレまでの激動の世紀末ウィーン芸術を表現した「美の黄金時代」と、美しい映像と音で世界を体感する「LISTEN.」の新シリーズ「ONE MOMENT」の2つのアート作品。山口は「LISTEN.」のプロデューサーを務める。
山口は「ある意味ここは、今と古のコラボというか、境を乗り越えて一緒に融合するっていうテーマだと思うんです」と前置きし「私がずっと追い求めてきたプロジェクトの『LISTEN.』。壁を取っ払うというか、境や境界線や国境、分断する壁を乗り越えて、なくすシンボリックなものが音だと思っています」と考えを告白。
続けて「音というものは果敢に壁も乗り越え、国境も乗り越え、どんどん行き交って、お互いの素敵なもの同士が融合して、また新たな美しさを築き上げてきた歴史の証だと思います。『LISTEN.』は境を乗り越える音を追いかけてきました」と明かした。
映像も美しい「LISTEN.」。山口は「始めた当初、2000年頃からずっと思っていることなんですけど、自分の中で『美しい暗闇復活委員会』というものを心の中で立ち上げているんです」と笑顔を見せつつ「世の中からどんどん美しい陰影や、美しい闇がなくなってきてしまう傾向がとても寂しいと思っているんです」と心境を吐露。
「すべてが映し出されすぎると、私たちのイマジネーションが飛翔する余裕、ゆとりもなくなってしまうような気がして」と続け「見えすぎてしまうからこそ、見えなくなっているものもずっとあるな、と思っています」と語った。
「LISTEN.」は、音をテーマにしているとしつつ、山口は「まずは目を閉じて、耳をすまして、心を開いて世界に耳を傾けることがテーマ。そのときに闇ってとても大事だと思うんです」と説明。『LISTEN.』では撮影するときも常に、ほのかな美しい闇や陰影を大切にしていると話した。

山口智子、現在一番興味のある国は日本
これまで世界中を旅してきた山口。これから音を体感したい場所について聞かれると、山口は「もちろんまだまだ世界の国々に行けていないんですけど、でも何巡りかしてみて、一番今興味が改めて沸き起こっているのは日本です」と回答。
「世界に出て初めて思い知らされることは、いかにこの日本が世界に影響を与えてきたか。何千年前から行き交いながら、その証が音として残っているということを、世界の各地でものすごく強く確認できた」と言い、「だからこそ今、ふるさとの日本に立ち返って、日本をもう一度ちゃんと探り直したいという気持ちにやっとなれました」としみじみ語った。
◆取材・文=山田果奈映

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