'09年4月から配信がスタートしたLISMOオリジナルドラマシリーズ。その第11弾「Hello Goodbye」が3月8日から配信中。4月3日(土)より公開される映画「ソラニン」を手掛けた三木孝浩監督の作品ということもあり、注目を集めている。
本作は、南沢奈央が演じる高校3年生・岡田莉子を主人公とした物語。幼なじみの航(賀来賢人)らと共に卒業式を迎えた莉子は、親友の花乃(足立梨花)から「航くんの第2ボタンをもらってきてほしい」と頼まれる。一方、航の友人・祐介(市川知宏)は、以前から莉子に好意を寄せていた。そんな友人たちの間で、お互いに対する“本当の気持ち”に揺れ動く莉子と航の姿を描いた青春ドラマ。
撮影終了直後、航役を演じた賀来が、自身の学生生活を振り返りながら本作の見どころについて語った。
―――台本を読まれた感想を教えてください。
卒業式がテーマということで、すごく“キュンキュン”した話だなって思いました。本当にどこかの学校でこういうことはありそうだなというリアルな設定というんでしょうか。僕自身は、小中高とずっと男子校だったので、こういう思い出がないんですよ(笑)。だから撮影とはいえ、こういう体験をできたことはうれしかったですね。
―――確かにリアリティーのある設定ですね。演じた航という役も等身大の高校生という印象でしたが、役作りの上で心掛けた点はありますか?
航は特別に明るいわけでもなく、根暗でもない普通の男子なので、はしゃぐ時もあればまじめな時もあります。こういう役ってごくごく普通なだけに、逆に難しいんですよね。極端な性格で、(明るいor暗いなど)どっちかに振り切れるキャラクターの方が役作りはしやすいと思うので。今回は、三木監督と「今のはやり過ぎてませんか?」と相談しながら撮影を続けました。そういう微調整が難しかったですね。
―――そんな航を演じた中で、“変顔”を披露するシーンも多いとか?
(笑)そうですかね〜。三木監督は本当に自由にやらせてくださって、僕の意見も取り入れてくれたんです。だから、普通の男子として、ふざけるところは思い切ってふざけたりしましたけどね。監督から「面白くやってほしい」というリクエストを受けた結果が、変顔につながっているのかもしれません。現場の雰囲気も良かったので楽しくできたということもありますし。
―――同世代の出演者が多かったということも現場を楽しめた一因かもしれませんね。共演者の皆さんはどんな印象でしたか?
南沢さんと僕は、お互いに人見知りしちゃうタイプだったんです。撮影は4日間しかなかったんですけど、4日目にそのことに気付きました(笑)。すごくまじめな方でしたね。莉子と航は幼なじみという設定だったので、その関係性に近づけるようになるべく話をしようと思っていましたけど、南沢さんがしっかりした女優さんだったので、お芝居の中で近づけた感じでした。足立さんはすごくキャピキャピした方で、年下だったので気軽に話せました。モンスターエンジンの物まねをして遊んだり(笑)。市川くんは、不思議な子でしたね〜。ずっと一緒にいましたけど全然つかめなかったですよ。18歳にしてすごい完成度ですね(笑)。
―――現場でもいろいろ思い出ができたようですが、ご自身の高校生活ではどんな出来事が心に残っていますか?
部活(バスケットボール)の思い出は多いですね。練習日じゃない日でも集まって練習していましたから。あと、文化祭も印象深いですね。みんなで映画を作ったんですよ。僕はスタッフとしても、演者としても参加しました。ニュース番組風の作品で、時事ネタや芸能ニュースなんかをパロディーにしたような映画だったんです。ニュース映像に登場するいろんな人物を演じました。
―――青春の日々を過ごした仲間たちと別れる日はつらかったんじゃないですか?
そうですね。特に僕の学校は、小中高と12年間ほぼ同じメンバーで過ごしたので、高校の卒業式は号泣した記憶があります。誰か1人が泣いた瞬間に、みんな流されるように泣いていました。男子校の卒業式は熱いんですよ! とはいえ、女子がいなかったので、“第2ボタン”的なエピソードはまったくありません。それはやっぱり残念ですけどね(笑)。
―――劇中では卒業式の後に祐介たちとカラオケに行く約束をしますが、賀来さんも高校時代はよく歌いに行ったりしたんですか?
カラオケは大好きですね。今でもよく行きますよ。最近は「走れマキバオー」が十八番で、QUEENの「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」がお気に入り。高校時代の友達や、仕事仲間たちと歌いに行きます。
―――それでは最後に、3月で卒業を迎える皆さんに一言お願いします。
好きな人に告白するとか、けんかしていた友達と仲直りするとか、モヤモヤした気持ちをスッキリさせて次の一歩を踏み出してほしいですね。僕自身、高校時代は部活も恋愛も経験して満足していますけど、もう少し遊んでおいてもよかったかなぁって思ってます(笑)。ただ、遊び過ぎていたら逆に「部活とかを頑張っておけばよかった…」と思うだろうから、無い物ねだりなんでしょうけど。今回の作品では、莉子と航、花乃と祐介、この四角関係の中でいろんな思いが交錯して、卒業式がきっかけでちょっとずつ動いていく4人の気持ちが描かれています。4月からも高校に通う皆さんには、「友達とこういう関係を築きたいな」って思ってもらいたいし、卒業する皆さんには、「こういうことあったなぁ…」って懐かしく感じてほしいですね。とにかく、僕自身、キュンキュンしながら演じた作品だということは間違いありません(笑)。
撮影/取材/文=大小田真
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