大泉洋の“初主演小説”が本屋大賞にノミネート! 待たれる映像化
俳優の大泉洋に“完全あて書き”した画期的な小説「騙し絵の牙」(KADOKAWA)が2018年本屋大賞にノミネートされた。
「騙し絵の牙」は、社会派作家・塩田武士氏による10作目の小説。塩田氏は昨年、小説「罪の声」で本屋大賞2017第3位に選出されており、今回は2年連続での本屋大賞ノミネートとなった。
この「騙し絵の牙」は構想の段階から、著者である塩田氏と出版社に加え、“主演”となる大泉と所属事務所の4者による綿密な打ち合わせと試行錯誤の末に誕生した、異色の文芸作品だ。執筆にあたり、塩田氏は4年にわたる丁寧な取材と俳優・大泉洋に対する綿密な分析、本人とのディスカッションを重ね、まるで大泉そのもののような主人公・速水輝也を生み出した。
物語の舞台は大手出版社。主人公である雑誌編集長・速水輝也は、ウィットに富み話術に長けた魅力的な男だ。精力的に仕事に打ち込む速水は、ある夜、上司から担当雑誌の廃刊を匂わされ、衝撃を受ける。組織に翻弄されるうちに、速水の心の内から異常なほどの執念が浮かび上がってきて――というストーリー。前作「罪の声」では昭和の未解決事件「グリコ森永事件」を扱った社会派作家の塩田氏ならではのリアリティある筆致で、出版界の光と闇をくっきりと描き出す。
当初から大泉洋の完全あて書きとして構想されただけあって、読み進むにつれ主人公に扮した大泉が脳裏で動き出すという、かつてない感覚を味わうことができる。ラストでは驚愕の大どんでん返しが用意されており、作家の筒井康隆氏も「こういうどんでん返しがあるとは、騙された」と高く評価。著者の元にはすでに映像化の問い合わせも多数寄せられている。
塩田氏「著者は大泉さんでしょ、と勘違いされている方も」
2年連続で本屋大賞ノミネートという知らせに、塩田氏は「本当に光栄で嬉しいです! ありがとうございます!! 『騙し絵の牙』の著者は大泉さんでしょ、と勘違いされている方が続出していると聞きます…もうどちらでも良いので、みなさんぜひ読んでください!」と喜びを爆発させる。
著者 塩田武士
写真(モデル)大泉洋
定価 1,600円+税
仕様 四六判 384ページ
発行 KADOKAWA