トランスジェンダーのヒロイン・小川みき(志尊淳)の戦いを描くドラマ「女子的生活」(毎週金夜10:00-10:50NHK総合)が1月26日(金)に最終回を迎える。
1月19日放送の第3話(再放送は1月24日[水]夜2:20、NHK総合)では、みきが仕事のトラブルで故郷・香住に戻り、初めて女性の姿で家族と対面するシーンが描かれた。
明るく、美しく、ちょっとした毒気を持って強く生きる主人公・みき。
彼女のキャラクターに絶妙な“説得力”を与えているのはリアルに“イマドキ女子”風なファッションやヘアメイク、そして研究された志尊の動きや仕草だ。
今回、同作のトランスジェンダー指導を行っている西原さつき氏と、映像デザインの伴内絵里子氏にインタビュー。第1弾では、伴内氏がみきのヘアメイクやファッションに隠された女性らしく見せる工夫を明かす。
戦うヒロイン“小川みき”、その作り方とは
――みきのファッションやメイクでこだわったのはどんな部分ですか?
ヘアメイクで一番こだわった部分は“前髪”です。
カツラは生え際を隠すために前髪をおろしたスタイルが多く、その方が男性要素の強い太い眉毛も隠れるので、女性的な印象も作りやすいです。しかしそうすると表情が隠れ、かわいらしい印象になるので「かっこいい女性」というみきのイメージとも離れてしまいます。
みきのイメージに合わせて、暗めの髪色で前髪を大きく分けたかっこいいヘアスタイルのかつらを特注でつくり、自分を隠さず、堂々と生きるみきの強さを表しました。
ファッションでこだわった部分は“脚”です。
坂木司さんの原作で、みきは長い脚を生かした“脚見せつけコーデ”をよく着ているのですが、男性の脚はゴツゴツとしているので、どう見えるのか心配でした。ゴツゴツ感をカモフラージュ出来るようなタイツやブーツを用意してフィッティングに臨んだのですが、志尊さんの脚はスラリと長くて、正直女性の脚より美しく、まったく心配する必要がありませんでした。
膝から下がとても長くて、ミニスカートがとにかく似合う。フィッティング室から出てきたときは、あまりの美しさにスタッフ一同思わずため息がこぼれました…。
――女性らしく見せられる“ポイント”はどこですか?
「おしり」です。志尊さんは細身でとてもスタイルが良いので、レディースの服も全て問題なく着こなしていました。しかしどこかが足りないと思っていたのですが、それが「おしり」でした。女性的な「おしり」のふくらみがなかったんです。
そこで、市販のおしりのふくらみを作るパッドを入れたら、おしりのボリュームが出ることでくびれも出来て、全体のシルエットが一気に女性らしくなりました。