――デスラーの立場や、その心境も気になります。
そう、デスラーもその1人なんです。これまでの状況やズォーダーの言葉などから何となく今の立場は分かりますが、まだ語られていない部分は想像するしかありません。でも、当然ですけど腹の探り合いなんですよね。もちろん『2199』ではヤマトの乗組員たちとでしたが、今回はガトランティスとデスラー。今、ガミラスは地球と連合を結んでいて、それもヤマトにガミラス人も乗っているという状況…。デスラーの立場は、そもそもオリジナルの『さらば』や『ヤマト2』とも全く違うんです。
――とすると、第三章のラストでズォーダーに言われた「執念を見せてくれ」という言葉は、ヤマトへ向けたものだけでは終わらないキーワードになるのでしょうか。
詳しくは言えませんが。オリジナルの作品とは色々違いますから、さらに深いんです。デスラーは何のために…ということです。今のガミラスは地球と連合を結んでいるんだから「個人的な恨みとか言っている場合じゃないじゃん」という見方もある一方、あのヤマトとの戦いは私利私欲ではなくガミラスという国家の為にやっていたものでもある。『2202』の中で、デスラーがどういう思いで何をするのかというのは非常に興味深いですね。
――『2202』で初めてアフレコをする際に、音響監督から「こんな展開になるので、こんな演技を」といった要望はあったのでしょうか?
それがないんです(笑)。「活躍しますから」という話だけで、台本から読み取るしかない。最近ですよ、福井さん(シリーズ構成・福井晴敏)が書かれた、部外者には見せられないような「こういう風になっていくよ」というメモを見せていただいたのは。そこにデスラーに関してのこともあって。そこで初めて色んなことを知りました。早く教えてくれよって話ですよ(笑)。
もしかしたらアフレコでちょっとは…いや全然なかったですね。羽原(信義)監督は、僕がデビュー当時からお世話になっている方です。「超音戦士ボーグマン」(1988年)や「天空戦記シュラト」(1989年~1990年)でもお世話になっていますし、同世代でこうやって共に頑張ってきていますから非常に楽しみで、色々お話をしてくれるのかなと思っていたのに、特に何もなく…(笑)。
本当は全てを知っている方が良いのかもしれませんが、どうなんでしょう。でも、台本に書かれているセリフの1つ1つが腑に落ちるというか、「なるほど」という部分が僕の中ではありました。ですから「そういうことだろうな」と想像して演じていました。この第四章でも良いセリフがたくさんありますよ。
――もし、お気に入りのセリフがあれば教えてください。
すでに公開になっている「劇場予告編 60秒ver」に使われているセリフですが、「久しぶりだねヤマトの諸君」は、僕も子供の頃にマネしていた名台詞です。ここでは冒頭に使われていますが、これが第四章本篇ではどういう状況で言うのか。もちろん古代たちに対峙し言うわけですけど、どういう気持ちで言っているのか、どこで言うのかというのは非常に大切ですね。そこは、ぜひ見ていただきたいですね。
「あの艦は何ひとつ変わっていないようだ」も、言っていてニヤリとしてしまうというか、やはりデスラーはいいですね(笑)。自分で言っていてなんですが、こういう台詞を言うのがデスラーですし、魅力的だなって思いますね。久々に出会ったことへの懐かしさ、何ひとつ進歩がない奴等だよなという気持ち。デスラーの心情を色々想像できそうですね。デスラーの一言一言には色んな含みがあって、自分の心を見せるわけではないので、もちろん額面通りではなくその裏に色んな事が…。誰に対して言っているかでも変わりますから、こちらも実際に見ていただければと思います。
――そんなデスラーの側に登場するのがガトランティスのミルですね。
ミルとの会話は面白いですよ。説明しすぎても良くないので、どこを淡々と言って、どこをニヤリと言いうと効果的かというのは、正直そこまで絵に表情が付いてるわけではないので、音響監督からの支持を頂きつつ、色々探りながら演じた感じです。
2018年1月27日(土)より、全国29館にて期間限定劇場上映
【HP】yamato2202.net/
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