【R-1ぐらんぷり】盲目の漫談芸人・濱田祐太郎、同期・ゆりやんレトリィバァと「同じ舞台に進めるっていうのが不思議な気分ですね」
――なぜ「R-1ぐらんぷり」への思い入れが強いんですか?
やっぱり人生で初めて人前でお笑いをやった舞台で、この大会で決勝に行きたいとそこから6年間ずっと思っていたので、「一番最初に立った舞台」というのが強いんだと思います。6年前の最初に出たときのエントリー番号1953番っていうのは今でも覚えてますから。すごい印象には残ってます。なので、決勝には絶対残りたいっていう思いはありました。
――原点に戻ってきた?
そうですね。そういう感じはあります。
強みはやっぱり「お笑いが好きっていう思い」
――濱田さんは普段、どうやってネタを作ったり覚えたりしているんですか?
画面の文字を音声で読み上げてくれる機能を持った携帯があるんです。声で読んでくれるので、その携帯のメモ帳機能にメモしていったりして覚えるっていう感じですね。
――“聞く”力には自信があったりしますか?
まったくないです。「見えてない分ほかの人より耳ええんちゃうん」っていわれたのを聞き返したことありますから(笑)。
――大会ではネタ時間を守ることも大事ですが、その辺の感覚はどうやって身につけられたんですか?
それもですね、視覚障がい者用の腕時計というものがあるんです。ストップウォッチ機能みたいなもので、音声で時間を言ってくれたり「何秒経過しました」って言ってくれるので、練習するときはそれで計りながら練習してます。
――舞台上では自分の感覚を信じながら?
そうですね、はい。で、「R-1ぐらんぷり」は2分とか3分とかで警告音が鳴るので、とりあえずその警告音を目安にやったりとかしてます。
――ご自身の強みはどこですか?
強みですか…そうですね、お笑いが好きだっていうものすごい単純なところだと思います。――ダークホースと注目される中での今大会、決勝への意気込みをお願いします。
普段の劇場の舞台に立ってるのと同じ感じで、自分の納得できるいい感じのしゃべりができたらいいなっていう感じですね。ダークホースとか、波乱を巻き起こすとかっていうのは周りの人がそう感じるというだけのことだと思うので、とにかく自分は、自分が納得できるしゃべりができたらいいなと思います。
視覚障がいを持つ芸人が「R-1ぐらんぷり」決勝に進むのは初めてだが、濱田にとって、それは大きな意味を持たない。笑いが好き、そんなシンプルな思いを武器に6日、決勝の舞台に立つ。