永六輔がラジオから発信した傾聴すべき言葉の数々を今、振り返る
TBSラジオで1991年4月から24年半にわたって放送された生番組「土曜ワイドラジオTOKYO永六輔その新世界」。その音源を厳選して珠玉のトークを集めたCDの第5弾「永六輔その新世界特選ベスト 笑う門には福来る篇」がリリースされた。
放送作家、著述家、作詞家として活躍した永六輔(1933年4月10日-2016年7月7日)。NHKをはじめ数々の番組の台本を手がけ、たくさんのヒット曲を生み出す傍ら、軽妙な語り口を生かしてラジオパーソナリティーとしても輝きを放った。
「土曜ワイドラジオTOKYO永六輔その新世界」は、放送回数1,275回を数えたTBSラジオの長寿番組。CⅮ第5弾「笑う門には福来る篇」は、とくに永六輔の明るい笑い声が満載の回を中心に集めたという。
その内容は、長野県の高速道路での珍道中や、初めて胸のコルセットをした時の「イタ気持ちいい」体験など、プライベートの出来事を赤裸々に、笑いを交えながら語る様子であふれている。
ゲストとして登場しているのは、黒柳徹子、きたやまおさむ。黒柳徹子との対談は「戦後50年 特集もしもあの時」と題された回に出演し、戦地に行った父親が帰ってきた際のエピソードや、自らの戦争体験談を披露した回が収録されている。会話の中ではNHKの放送劇団に入った経緯や、家に初めてテレビが届いた日の戸惑いなどを明かし、永六輔の爆笑を誘っている。
第5弾CⅮのナビゲーターを務めるのは、1991年4月の番組開始から「調べる係」として出演したはぶ三太郎と、2000年5月から番組アシスタントとして出演した外山惠理TBSアナウンサーの2人。永六輔の思い出を語り合いながら放送内容を振り返る2人のトークは趣深い。
「知らない街かどを曲がると、それはもう旅」と常々口にしていた永六輔。各地を歩いてその先々の人々と話すことを終生のモットーとし、「土曜ワイド」の放送終了後スタジオからそのまま旅に出て、放送前日に東京に戻り、旅で見たこと聞いたこと考えたことを持ち帰り、マイクを通してリスナーに報告する日々だった。
CⅮ第1弾には、そんな永六輔が本番組スタートにあたり切々と語った、「強き誓い」とも言える心に刺さる挨拶が収録されていた。今回特別に許可を得て、その書き起こしを掲載する。
「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界 特選ベスト」
第1弾「泣いて笑って旅物語篇」
第2弾「出会えば花咲く交遊録篇」
第3弾「戦争を語りつぐ大人たち篇」
第4弾「歩いて話して街かど東京篇」
第5弾「笑う門には福来たる篇」
各3,996円(税込) ※ 2枚組
【問い合わせ】TBSプロネックス 0120-900-635(受付:平日10:00~17:00)