Rude-αとAlaventaがライブでコラボレーション! シーンを切り開く若いプレイヤーがラップとダンスで魅せる
確かな実力と純粋な人間性が伝わるラップでオーディエンスのハートをキャッチする、レペゼン沖縄の新世代ラッパーRude-αが、3月4日に新作EP「20」のリリースをパーティー"Rude-α presents TEEDA-20"ep Release Party-"を渋谷WWW Xで開催。この日は、SUSHIBOYS、Michael Kaneko、DATSをスペシャルゲストに迎え、Rude-αを含めた対バン形式で4組の熱いライブが行われた。
そして、主役のRude-αのライブでは、国内外のダンスバトルやコンテストで優勝しているダンスチーム・AlaventaからSANTAとJUNPEIが登場。かつてDanceFactの対談インタビューで一緒に何かやりたいと話していた両者であったが、この日スペシャルコラボを実現させた。シーンの若手としてそれぞれ活躍するRude-αとAlaventaはどのようなライブをみせたのか!? 気になるパフォーマンスを含め、Rude-αのライブの模様をレポート!
渋谷WWW Xに足を踏み入れると、それぞれアーティストのファンが音を浴びるかのようにライブを楽しんでいる姿が目の前に広がる。ドリンクを片手にファン同士で会話が弾み、交友関係も広まっていく姿は、まさに対バンライブの醍醐味でもあり、このパーティー感が心地よい空間を作っていた。
DATSからバトンを引き継いだRude-αは、親交の深いバンドメンバーの演奏を背中に受けて登場。今宵の主役の登場に超満員のオーディエンスから大きな声援が送られる。Rude-αがスタートに選んだ曲は、新作EP「20」から最初にMVが公開された「Mirror Ball」。彼が沖縄にいた時のことを歌った楽曲で、自分はレペゼン沖縄だというアイデンティティーをしょっぱなから打ち出していた。次第にハンズアップが伝染していくオーディエンスを見て、「最高!」と声をあげたRude-αは、さらに「俺の音楽は、お前らのためにあるんだ! 楽しんでいこうぜ」と、正直な気持ちをオーディエンスに返す。
続く「この夜を超えて」では、現在の自分を歌っていることもあり、今を一生懸命生きているという気持ちが全面に伝わるラップをライブハウス中に響かせる。「俺が生きていると感じられるのは、ステージに立っている時だけ! ひとつになろうぜ!」の声を合図に、オーディエンスはジャンプで盛り上がり、会場が揺れるほどの盛り上がりをみせた。
2曲歌い終わるとMCへ。会場に集まってくれたファンにお礼の言葉を送り、そのまま片思いのリリックが特徴の楽曲を披露。先月に21歳になったばかりのRude-αが描く恋のリリックは、同世代であれば共感できる内容であるし、上の世代にとっては青春時代の甘酸っぱい記憶を思い出させる。人間味を感じるのが特徴だ。
その後、バンド編成が変わり、ピアノのサウンドにのせて今回リリースしたEP「20」の話を始める。このEPをリリースするにあたって、たくさんの人にありがとうを言ったけど、たったひとりだけ言えなかったというおじいちゃんの話になり、自分が今東京で頑張れるのも空の上にいるおじいちゃんのおかげだと、感情に身を委ねて感謝の言葉を口にする。
そこから楽曲は「Happiness」に繋がり、人と人の出会いや別れ、感謝を綴った曲で、さらに自分の思いをオーディエンスに...。いや、彼が関わってきたすべての人に届けるように歌うまっすぐな姿にオーディエンスからは大きな拍手がおくられた。
感極まったRude-αとオーディエンスの間で、「泣いた? 泣いてない!」のイジリ合いが行なわれるなか、流れを変えたいRude-αはバンドメンバー紹介へ。ひとりひとりエピソード付きで紹介するのは彼の優しいところだろう。
メンバーや自分の住んでいる駅を暴露するなど、正直すぎるMCで笑いをとったあとは、対バンライブの相手であるMichael Kanekoを呼び込み、彼がプロデュースした「Summer Melody」を披露。
ビーチっぽい音の世界観が心地よく、ギターサウンドが特徴的なこの曲は、Rude-αの沖縄出身というキャラクターとも相まってちょっと早い夏を音楽で届けていた。
早いもので、ライブは最後の曲へ。「俺の今の目標は日本武道館でライブすることなんだよね。ついてきてくれる? この列車に乗り込む準備できてる?」の煽りに、声援で返すオーディエンス。列車の発進準備を確認したRude-αは「Train」を披露した。
この曲で最後のスペシャルゲストとしてRude-αが呼び込んだのは、ダンスチーム・AlaventaのSANTAとJUNPEIの二人。実はRude-αとSANTAは、お互いリスペクトする同年代のプレイヤーとして存在を意識しあっていた同士で、下北沢の中華料理屋で初めて夢を語り合った日から、時をへて同じステージでコラボレーションが実現したという背景を持つ。
Alaventaが冒頭で大技のフロアムーブをキメると、その勢いとRude-αのラップフロウに合わせてライブパフォーマンスを作り上げていく。Rude-αの高速ラップにハウスのステップで音ハメをしたと思ったら、今度は楽曲のグルーヴに合わせてゆったりとした抜きのムーブを入れるなど、ライブ感を意識したダンスパフォーマンスは新しいダンス時代を切り開く存在であるAlaventaならではのムーブだった。
この日、初めてAlaventaを見るだろうオーディエンスが多いなか、中盤には大歓声を引き出していたところをみると、やはりラップとダンスの相性。そして、Rude-αとAlaventaが生み出すシナジーは非常にエンターテイメントに満ちたものだったと思う。
かつてロックダンスをやっていたというRude-αも、シフトなどの大技を取り入れたダンスや3人でウェーブやシンクロダンスをしたりなど、ソロダンスからルーティンまで幅広いダンスパフォーマンスを披露。自分の生き様を見せるのがHIPHOPというのならば、ダンス経験のあるRude-αのダンスパフォーマンスも今後彼の表現の一部になるのかもしれない。そんな明るい可能性も感じさせるライブパフォーマンスであった。
新作EPの楽曲をすべて披露し、ライブが終わると、オーディエンスの「アンコール!」の声援が会場に響き渡る。アンコールを受け、新作のTシャツを身につけて再登場したRude-α。嬉しそうな表情を浮かべていたのが印象的だ。
この日のリリースパーティーを迎えるまでのエピソードを話しつつ、音楽で人が繋がっていくのが嬉しいと語ったRude-αは、ラストの曲に「水平線の向こう」をチョイス。
心情が乗り移ったラップとチルアウトなサウンドに、オーディエンスは手を振り一体化していく。Rude-αのライブは、なんとも心地よいグルーヴを残して終わりを迎えた。
新作EPのリリースパーティーでありながら、濃厚な音楽をライブでみせた"Rude-α presents TEEDA -20"ep Release Party-"。この日Rude-αは、日本武道館にみんなを連れていきたいと言っていたが、彼ならその夢を実現してくれるじゃないかと思わせる説得力をライブで見せてくれた。日本武道館のステージに立つとき、Rude-αはどんなラッパーになっているのだろうか。人との繋がりを大切にする彼なら、またAlaventaとスペシャルコラボをみせてくれるかもしれない。
明るい未来と可能性しか感じないRude-αに、今後もついていきたいと思わせるライブであった。
(文●のざたつ)
「それを聞く?」ラッパーRude-αがダンサーSANTAに質問!
That’s What I Like -Bruno Mars / Alaventa Workshop in HongKong
Alaventa - Beginning of the beginning
それやっちゃう!? アクロバティックなSANTAのダンス動画