新しいシーンを切り拓きたい! 「声優+本格ストリートダンス」ユニットのA+DFがついにベールを脱ぐ
「声優+本格ストリートダンス」ユニットのA+DFが、3月23日に六本木 Morph-Tokyoで、デビューイベント【A+DF "FORMATION LAP" 2018】を開催。今ダンスシーンで急成長しているA-POP(アニソンで踊るダンスジャンル)を、さらなる高みへ導くために厳しいオーディションを勝ち抜いた9人が、ついにこの日デビューイベントでお披露目された。
さらに、スペシャルゲストとしてストリートダンスシーンからAlaventa、A-POPシーンからRAB(リアルアキバボーイズ)が、A+DFの門出を祝うために参戦。3組が見せる濃厚なライブに、駆けつけた満員のオーディエンスから大歓声が浴びせられた。そんな異色のアーティスト集団であるA+DFがどんなライブパフォーマンスを見せたのか? 気になる内容をライブレポート!
オーディションを勝ち抜いた9人が見せるダンスパフォーマンス
満員のオーディエンスがざわつくなか、ステージが暗転するとスクリーンにA+DFの紹介映像が流れ、メンバーが映る度に歓声があがる。この日を待ちわびていたのはA+DFだけでなく、ファンも一緒だったようだ。MCのゲッツが登場し、「皆さんは、A+DF初ステージの目撃者です!」と場を盛り上げ、A+DFを呼び込むと、ダンスボーカルグループらしいカッコいい衣装で登場。ストリートダンスを意識した本格的なダンスパフォーマンスを披露し、構成の変化やキレのあるムーブ、時に抜きを見せる緩急のあるダンスでスキルの高さを見せつけた。
スタートパフォーマンスが終わると、ひとりずつメンバー紹介へ。篠宮隆太、勝村友紀、高村大波、大上玲央、根岸広明、望月駿祐、村岡太平、平松亮祐、上原裕希の9人は、自分の役割と得意なものをアピールし、それぞれのキャラクターを打ち出した。
さらに、MCのゲッツは、彼らの振付と指導を行なっているという立場もあり、親心のこもったトーク回しでメンバーの個性を引き出していく。最後に自己紹介するリーダーの篠宮隆太をすっ飛ばして次に進行し、篠宮が慌てて話に割り込むというボケとツッコミを見せると会場から笑いが巻き起こっていた。
ダンスだけじゃない! A+DFの声優パフォーマンス
ダンスパフォーマンスとMCで会場が盛り上がると、次は彼らのもうひとつの武器である声優パフォーマンスへ。有名な文豪をキャラクター化した人気作品「文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人 VS. 京極夏彦」の朗読劇を披露。根岸広明がナレーションで世界観を作り上げると、綾辻行人役を望月駿祐、京極夏彦役を篠宮隆太が好演し、ダンスとは違う声の表現で作品の形を作り上げていく。もちろん3人の朗読劇も素晴らしいのだが、さらに注目したいのはステージスクリーンに映し出された映像である。なんと、朗読劇に合わせて「文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人 VS. 京極夏彦」の表紙と朗読部分のコマが使用されていたのだ。この日、朗読劇を含むほとんどのパフォーマンスで、作品の公式画像が使用され、オタク心をくすぐる演出でA-POPならではの盛り上がりをみせた。
スペシャルゲストがパフォーマンスでA+DFを祝う!
この日、パフォーマンスをするのはA+DFだけではない。彼らのデビューをお祝いするためにゲストダンサーとしてAlaventa、ゲストアーティストとしてRABがこの日だけのスペシャルライブを披露した。まず、ストリートダンスシーンにおいて世界で活躍し注目を浴びているAlaventaからSANTAとJUMPEIが登場。普段のダンスイベントは違うライブ感のある煽りとパフォーマンスでオーディエンスを魅了した。
続いて登場したのは、A-POPシーンのパイオニアであるRAB。5人で見せるブレイキンのルーティンや、A-POPで重要とされる歌詞ハメのムーブをみせ、オーディエンスの歓声を誘う。その後、有名アニメ作品をオマージュした寸劇で、けいたん・ドラゴン対ムラトミ・マロン・涼宮あつきに別れて抗争が勃発。その中で完璧に繰り広げられる"RABワンマン 2018年 東名阪ツアー"の告知に、会場は感動と笑いに包み込まれた。
ゲストライブの感想を聞かれると、王子様キャラの上原裕希は「完成度が高いし、すごくうまい。自分もこうなりたい」と、刺激を受け、RABと同じくブレイカーの村岡太平は「両方ともバトルイベントでよく見ていたのですが、改めて技術や世界観がすごい。自分もかましたくなる」と、リスペクトの言葉を送る。ゲームの世界ランクで800万人の頂点に立ったことがある天才ゲーマーの平松亮祐が「A+DFの第2のブレイカーになりたいと思いました。」と、コメントすると、憧れは誰なのかという話になり「RABのムラトミさんです。」と、自身と同じ匂いがするという発言を加えて会場から笑いと歓声を誘っていた。
オリジナル曲も解禁! ついに明かされるA+DFのボーカル&ダンスパフォーマンス
デビューイベントも最終ステージへ。ついに歌って踊るA+DFの姿がお披露目された。1曲目に披露したのは、"交響詩篇エウレカセブン"のオープニングテーマになった『DAYS(FLOW)』を披露。スクリーンに映し出されたエウレカセブンの公式映像をバックに、メインボーカルの根岸広明と篠宮隆太が歌唱していく。二人の声質が違う歌声はどちらも耳に残る印象的なボーカルで、そこにダンスも加わり本格的なパフォーマンスに昇華されていく。サビでは一緒に手を振りながらオーディエンスと盛り上がりをシェアしたり、ラップパートでは9人で様々なダンスジャンルを取り入れたダンスルーティンで実力の高さを提示。篠宮が「最後まで盛り上がってくれますかー!」と投げかければ、会場はクラップで一体化し、ライブさながらの光景を生み出していた。
2曲目は少し世界観を変えたパフォーマンスを披露
"ユーリ!!! On ICE"の『History Maker(DEAN FUJIOKA)』を望月駿祐がピアノで生演奏し、勝村友紀と高村大波がステージを氷上に見立ててダンスパフォーマンスを見せる。JAZZダンスをベースにアニメの世界観を表現していく中で、勝村友紀はひとつひとつの動きに感情を込め、高村大波は体全体で楽曲の世界観を表現していく。途中大技のリフトもあり、かなり本格的なパフォーマンスになっていた。早くもラストの曲を披露しようとすると、オーディエンスから「まだ来たばっかりー!」というA-POPの現場でおなじみの声援で迎えられるA+DF。その言葉に歓喜しながら、A+DFのオリジナルソングである『WE ARE A+DF』を披露した。A+DFのワードがトラック化されたEDMサウンドに、ダンスはストリート系を取り入れた本格的なライブパフォーマンス。サビでは真似できそうなキャッチーな振りもあり、まさにライブで会場が一体化するように作られた楽曲だ。
この楽曲では、メロディ全般の歌割りを根岸広明、ラップを篠宮隆太が担当。ラップでゲストのAlaventaとRABの名前を出すというオリジナルリリックを加えていたところにレベルの高さを感じる。さらに間奏とラップ部分では、村岡太平、大上玲央、高村大波、勝村友紀がそれぞれソロダンスをキメて、会場から大歓声を巻き起こす。そこから畳み掛けるように「A! D! F!」のコールレスポンスを行い、この日会場のボルテージはMAXを迎えた。
すべてのパフォーマンスを終えると、最後のMCへ。
デビューイベントの感想や今後の目標を聞かれ、各々感謝の言葉を伝えるなか、厳しいオーディションで受験者が落ちていく極限状況下で勝ち残ってきたことや、この9人でこの日を迎えられたことに平松亮祐が感極まって泣いてしまった時には、会場が一丸になって励ます姿が。その光景はもうすでにいいチーム感が出来ていると思わせるシーンだった。最後に篠宮隆太が「新しいシーンを築いていきたいという言葉に嘘偽りはございません。今後とも僕らを見ていてください。新しものを作るには、皆様のお力添えがなしでは叶いません。よろしくお願いします。」と、決意表明すると、オーディエンスから暖かい拍手と声援が送られた。
「声優+本格ストリートダンス」という新しいシーンを開拓するために結成されたA+DF。この日ライブを終えたメンバーは希望に溢れた表情を見せていたのが印象的だった。A+DFの活動は彼ら9人だけの挑戦ではなく、A-POPシーンの挑戦。いや、日本がアニメ、ゲーム、漫画、ダンスといったカルチャーの素晴らしさを世界に提唱するためのプロジェクトだと言えるだろう。さらに、A+DFは、4月にビッグニュースの発表を控えている。希望と将来性に溢れたA+DFに、今後も注目したいと思えるデビューイベントであった。