――夫・秀明に対してどんなことを感じましたか?
毎日一緒にいるからこそ、腹立たしくなるのでしょうね。きっと周りから見たら、ハンサムで優しそうに見えていて、人がうらやむ旦那さんだと思うんです。
実際暮らしてみると人畜無害とはいえ、こちらの思いをくんでくれていないいら立ちみたいなものは演じていて感じますね。のれんに腕押しというか、会話が常に一方通行なんです。
――夫役の玉木さんとの共演ご感想をお願いします。
きっと繊細な方なんだろうなと感じました。秀明よりもできた夫になるのではないかと思います(笑)。
――共演者の方々とは演技について話し合ったりされましたか?
役者同士で結託し過ぎると、演出家の意図と異なってきたりすることもあるので、あまり演技についてのお話はしていないかもしれません。
特にユースケ(・サンタマリア)さんとはお芝居の話は一切しなくて、いつもどうでもいいくだらない話をしていますね(笑)。
今回は撮影前にリハーサルをしたのですが、同じシーンを10回以上も繰り返して「平野(俊一)監督は、粘り強い…どうしよう」と、一瞬不安になりました(笑)。
実際に現場に入るとサクサク進むのでほっとしましたね。私も、玉木さんも母として父としての姿がきっとまださまになっていなかったので、試す機会を与えていただけて良かったなと思います。
――ユースケさん、木村さん演じる茄子田夫婦に関しては、どんな思いがありますか?
多江さん演じられる綾子は、とても日本らしくて貞淑な妻だと思います。自分には、決してなれないと思いました。
虐げられている女性ですから、ついよそに幸せを求めてしまう気持ちも分からなくないですよね。もし自分があの状況に置かれたら、逃げ出したいと思うに違いありません。
――中谷さんの理想の家族像を教えてください。
各々が自立した関係ですね。どこかで共有できるものがあって、信頼しているからこそ各々が自由にできる。そんな距離感があった方がいいのかなと思います。
――ドラマの魅力、見どころをお願いいたします。
普通に描いたら悲惨になってしまう内容をコミカルに描いていて、かつ身につまされるリアルな物語でもありますので、楽しんでご覧いただけると思います。