放送中の連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK総合ほか)で、永野芽郁演じるヒロイン・鈴愛の弟・草太を演じている上村海成。2010年に「ニコ☆プチ」でモデルデビュー後、俳優業をスタートさせ、ミュージカル「テニスの王子様」の3rdシーズン(2015年)で金田一郎役で出演。着々とキャリアを積み、今作の役をつかんだ。
――「テニスの王子様」以前に舞台に出演した際には、「舞台はもうしない」と思うほど悔しい思いをしたと聞きました。
当時の僕はできることが全くなかったんです。踊りも芝居も思うようにできないという状態だったので、悔しさあまってそんなことを言ってしまいました。
――芝居の面白さを感じ始めたのは?
「テニスの王子様」をやっている途中でした。舞台に対して苦手意識がずっとあったんですが、ふと気持ちが軽くなる瞬間があったんです。極端な考えですけど、舞台は子供のころに本気でやった何々ごっことかレクリエーションの延長線にあるものなのでは?と捉えてみたら、ふっと心が軽くなった。そうしたら、楽しいな、もっとやりたいなと思えるようになったんです。
――朝ドラはオーディションで役を勝ち取ったわけですが、こうして話したり、ブログを読むと、すごく草太っぽさを感じます。
そうですか? でも、脚本家の北川(悦吏子)さんとお話しさせていただいたときも「今、喋ってる雰囲気がすごく草太らしい」と言っていただけて。ただ普通に話していただけだったので、普通にしているときが草太っぽいと言われると、逆に演じているときに草太らしさの確証が得られなくて…。現場でも「これは草太ではなく、上村海成なのではないか?」と感じる瞬間があって、本当に草太はこれでいいのか?と確認したくなっちゃいます(笑)。
――演出家の方々にも何か言われてますか?
そこは何も。ただ、僕、お芝居が暗くなる傾向があって(笑)。普段の僕が草太らしいと言っていただいたことを意識してしまい、素の自分を追いかけ過ぎて、家に独りでいるときみたいに暗くなってしまった。演出の田中(健二)さんに「今のはちょっと暗すぎる」と言われてしまったこともありました(笑)。