「俺は藤田富という名前を絶対忘れない」谷口賢志の熱い手紙に藤田感動
「仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判」の公開初日舞台あいさつが5月19日に行われ、藤田富、谷口賢志、俊藤光利、田邊和也、宮原華音、勝也、神尾佑、姜暢雄、国府田聖那、監督の石田秀範が登場した。
2016年よりAmazonプライム・ビデオ配信限定でスタートした「仮面ライダーアマゾンズ」。Season1、2017年配信のSeason2を経て、今回の劇場版で完結を迎える。
作品上映後にキャスト陣と石田監督が登壇。主人公の水澤悠/仮面ライダーアマゾンオメガを演じた藤田は、シリーズの映画化と完結に感無量の様子。「映画を撮っているときは『早く公開してほしい』と思っていましたが、いざ公開日を迎えると『アマゾンズがもう終わってしまうんだな』という気持ちがあります。でも、ファンの皆さんの心にあり続けることが、アマゾンズが生き続けることだと思います」とあいさつした。
藤田は本シリーズが初主演作品。Season1から約3年間携わったこの作品への思いは強く、「芝居のことが大好きになって、芝居がなければ生きていけないぐらいになりました。このアマゾンズを背負ってこれからも芝居をしていこうと思うので、(アマゾンズは)僕の人生のキーポイントです」と語った。
一方、鷹山仁/仮面ライダーアマゾンアルファを演じた谷口は、「作品を見終わって皆さん涙で前が見えていないかなと思ったら、結構余裕の拍手と笑顔でむかえてくれたので、映画の実感としてはどうだろう(笑)」とあいさつし、会場の空気を和ませる。そして、詰めかけたファンに「どうなの? 泣いたでしょ?」と呼びかけ、肯定の拍手が巻き起こると「であればいいでーす(笑)」と返す、客席をいつも笑顔で満たす谷口らしいコメントを残した。
また、舞台あいさつの最後には、これまで約3年間共に作品を作り上げてきた谷口から藤田へのサプライズメッセージが。用意した手紙を取り出した谷口は、現場で1度だけ藤田にキレかけたというエピソードを告白した。Season1の撮影後半で疲労がピークに達し、主役らしからぬ振る舞いを見せていた藤田に対し、谷口はいらだつ気持ちを抑えて俊藤に相談。その時、俊藤は「二人でもう少し見守ろう。で、それでも駄目だったら二人で殴ろう」と、谷口を落ち着かせたとのことだった。
「助かったな、富。そして、助かったな、俺」と話した谷口は、「あの時ブチ切れていたら“リアルアマゾンズ”になっていたかもしれないし、ニュースになってアマゾンズが違う意味で有名になっていたかもしれないから(笑)」と言い、藤田と客席から笑いが起きた。
谷口いわく、藤田はその後“本物の主役、本物の俳優”に成長したという。「もう一つ告白すると、お前は事あるごとに『谷口さんのおかげで演技が好きになった、谷口さんに勝つために頑張れた』と言ってくれる。けど、お前の成長を喜び、心底怖がり、絶対に負けないようにと必死で生きていたのは俺の方だと思っている」と続けた谷口。そして、「人間はいろいろなことを忘れていってしまうけど、俺は藤田富という名前を絶対忘れない。富、出会ってくれてありがとう。アマゾンズの片割れより」とメッセージを締めくくると、藤田の目には光るものが。ファンも谷口の思いに静かに聞き入っていた。
最後に谷口が、「追伸。時代も時代だから、お互い不祥事には気を付けよう(笑)」とこれまた谷口らしくユーモアあふれる助言で手紙を読み終え、この日一番の拍手と笑いが起こった。
感想を聞かれた藤田は、「いや、もう…。言葉にならないくらいうれしいです。僕もあの時のことを反省していて、でもこうしてしっかり直接伝えてくれる谷口さんは、本当に僕の師匠だなと思います」と、改めて谷口への尊敬と感謝の念を深くしていた。