大谷亮平が日本でのスクリーンデビュー作「ゼニガタ」に懸けた思いを告白!
――本作は人間とお金にまつわる物語ですが、この永遠に切り離せないテーマについて思うことはありますか?
彼にお金を借りに来る人たちは、ほかに選択肢がないという事情もありますが、利子が高いのにどうして来るのか? みたいな話をみんなでしていました。最終的に人生のドン底にいる人たち、返せるメドがない人たちが来るんですね。街から逃げよう、何かを始めようということになるとお金がつきまとうもので、それはもうどうしようもないこと。
挑戦や変化を求めようとすると、必ず必要なのがお金。それはみんなに関係あることで、今回の映画ではけがや命まで追い込まれる人がいますが、人生ではそういうこともあり得るということを、ちょっとうまくは言えないですが、普遍的なテーマを扱っていると思います。決して他人事ではないですよね。闇の世界じゃなく、生きて行く上では縁が切れることがないものなので。
――本作と出会って、俳優として良かったことは何ですか?
それは、どの作品に出ても思うことではありますが、今回は特に強く感じたことがありました。韓国にいた頃はクールで感情を出さないことが多く、過剰な表現をしなかった。ただ、無でいるとストーリーに絡みにくいというか、見ている人も面白くないんですよね。派手に動いている方がいろいろな表現ができて、泣いたりわめいたりという表現もできる。
富男は、感情表現が控えめな方だとは思いますが、無なわけではないのですごく考えました。この経験は、次の作品以降にも反映されていく気がします。
――今回の『ゼニガタ』は、新しいキャラクターの誕生ですよね。
本当に考えていることは分かりにくい主人公ですが、僕はダークヒーローというよりも、ダークな部分とヒーローの部分が分かれているような男だなと思っています。実は、彼はヒーローだったと思ってしまいたい思いは、正直ありました。
お金を貸す際、そこには意味を伴って一人一人と接していたと思うんです。相手に期待を込めたり、その人に投資をしたり、もちろんお金を回収するという終着点はあるのですが、お金だけではなくて、その人の行く末を見守るという、ちょっと紳士っぽいところも一面として出ていると思います。その二面性にもぜひ注目してほしいです!
――ちなみに先が気になる展開ではありますが、今後はいかがですか?
続編ですか(笑)ただ、人がお金に困るケースは豊富だと思うので、2号店オープンみたいな展開もいいですよね。それこそ弟・静香(小林且弥)に店を任せちゃうみたいな話もいいかもしれないです(笑)。
大谷の日本でのスクリーンデビュー作、これまでにない役とあって見逃せない!
5月26日(土)シネマート新宿ほか全国ロードショー
出演=大谷亮平、小林且弥、佐津川愛美、田中俊介、玉城裕規、岩谷健司、松浦祐也、八木アリサ、えんどぅ、土田拓海、吉原雅斗、安達祐実、升毅、渋川清彦
監督=綾部真弥
脚本=永森裕二
配給=AMGエンタテインメント、スターキャット/制作プロダクション:メディアンド
(C) 2018「ゼニガタ」製作委員会